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■I.米国株式市場
●1.米株式状況は、材料不足も相まって膠着感が強まるとみる
1)8/14、NYダウ+34ドルと小幅高、ナスダックは3日ぶりに反落し▲23安
・米経済の底堅さが意識され、出遅れ銘柄の資本財に買いが入った。ボーイングが+2%高と、ダウを+22ドル押し上げた。
・7月の小売売上高が前月比+1.2%と予想(+2.3%)を下回る。
・新型コロナの再拡大と財政支援の縮小懸念で、「個人消費の勢いが鈍りつつある」との声があった。
【前回は】相場展望8月14日号 米大統領選、株価はトランプ上昇・バイデン一時下落か トランプ減税:バイデン増税、他の政策はほぼ同一
2)膠着感が強まるとみる理由
・ハイテク・セクターとSP500が史上最高圏にある。
・最近の上昇率の高さを踏まえると、上昇ペースは鈍ってくると予想。
・全体的に材料不足も相まって膠着感が強まりそう。
3)個別物色は続くと想定
・新型コロナ感染の再拡大が続いても、業績見通しが付きやすい銘柄の物色は続くと想定。
●2.著名投資家ウォーレン・バフェット氏、米国銀行株の保有減、特にゴールドマンは保有「ゼロ」に
1)銀行株一部売却:JPモルガン、ウェルズ・ファーゴ、PNCフィナンシャル
銀行株全部売却:ゴールドマン・サックス
銀行株売却理由:新型コロナ終息時期がみえないとして、景気先行きに慎重な見方。米連邦準備制度理事会(FRB)によるゼロ金利政策で利ザヤ縮小。
2)買い増し銘柄:米スーパー大手のクローガー
カナダの産金大手バリック・ゴールド
3)現金余力:現金等は過去最高の1,456億ドル(約15兆円)で、投資余力大きい。
●3.米10年国債金利が急上昇、米VIX(恐怖)指数の10月限は30.6と高水準に注意
1)10年国債利回りは、8/4の0.507% ⇒ 8/13の0.721%に急上昇。
2)金利上昇の反動で、金価格は8/6に2,069ドル⇒8/11 1,946ドル⇒8/13 1,976ドルと反落傾向。
3)米VIX指数は、現在22.05⇒10月限は30.6と高水準
4)懸念材料
・新型コロナ再感染拡大
・米中対立激化
・米大統領選挙波乱
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数は8/14、+39高の3,360
1)8/6高値3,386に迫った。
●2.米政府は、米国の大学等に設置する中国の「孔子学院」を「中国共産党の宣伝組織」と位置付けて、大使館などと同様の『中国の外交機関』として認定
1)この認定は、米国の教育現場における中国政府の影響力排除が狙いとみられる。このため、義務付けられる事項は、
・孔子学院に(1)資産取得 (2)活動内容やカリキュラムの報告。
・現地採用含む従業員の基本情報や新規雇用・解雇・資産に関する報告。
2)ポンペオ米国務長官は、「孔子学院は、中国共産党が全世界に向け、影響力を拡大し宣伝工作を進めるための組織だ」と主張している。
・米国務省の報道官は、「西側メディアは真実のために働くが、中国メディアは中国共産党のために働いている」と指摘した。
・米連邦捜査局(FBI)は2年半前に、孔子学院が中国政府のスパイ活動を行っている疑いがあるとして「捜査対象」としていることを明らかにしている。
3)中国外務省は、孔子学院は教育機関だとして、「強烈な不満」を表明した。
4)なお6/22に、中国共産党機関紙の人民日報と系列の環球時報、国営中央テレビ、国営の中国新聞社の4報道機関を「中国の外交機関」と認定済み。また2月に、中国国営新華社通信や国営外国語放送CGTNなど5社も、中国の外交機関として認定している。
5)日本では、孔子学院を早稲田大学・立命館大学・桜美林大学など15の大学に設置。
●3.米政府は、米国でファーウェイなど中国5社の製品を利用する企業からの米政府調達を禁止する規則を8/13に施行
1)中国5社とは、
・ファーウェイ(華為技術) 通信機器大手
・ZTE(中興通訊) 通信機器大手
・ハイクビジョン(杭州海康威数字技術) 監視カメラ
・ダーファ・テクノロジー(浙江大華技術)監視カメラ
・ハイテラ(海能達通信) 無線通信機器
●4.中国アプリ・バイトダンスの「ティックトック」がグーグルスマホの識別番号を無断で収集し、利用者情報
を追跡できるようにしていた(米紙ウォルトストリートジャーナル、8/11)
1)ティックトックを巡り、収集した個人情報を中国政府に流出させる懸念が出ていた。
2)トランプ大統領は8/14、中国IT企業の北京字節跳動科技(バイトダンス)に対し、安全保障上の懸念があるとして、米国事業を90日以内に売却するように命じた。
●5.米トランプ政権8/14発表、台湾に最新型F16戦闘機66機の売却で正式調印
1)ブッシュ元大統領(父)が1992年に150機のF16を売却して以来のこと。
●6.国連人権理事会6/30開催、香港国家安全維持法で香港弾圧に賛成53票:反対27票
1)賛否の状況
(1)賛成:共産主義国諸国、アフリカ・中南米の諸国、支援が必要な貧困国
(2)反対:西欧自由主義諸国
2)中国支持国の特徴
(1)中国と同じように独裁的・権威主義的で、反政府勢力の問題を国内に抱え、反政府組織に対して厳しく抑圧している国。
(2)中国からの莫大な資金援助を受け、また債務超過に陥り返済困難な国。
(3)アフリカや中南米の国々は、香港問題への興味や関心が希薄で、経済的パイプを重視して中国共産党政権の意向を忖度。
(4)中国からの支援で、インフラ整備や都市化の推進のため、中国支持の立場を取った。
■III.日本株式市場
●1.日経平均株価
1)8/14、日経平均は+39円高の23,289円
・日中の値動きは小さく、様子見姿勢。
2)8/17は下落から始まりそう。
●2.企業業績
1)アシックス 2020年12月期決算の純利益が▲220億円の赤字。コロナで過去最大。
2)電通 2020年6月期中間決算は純利益が+157億円の黒字。
3)地方銀行 4~6月期決算、新型コロナの影響で地方銀行の6割が減益や赤字。
■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)
・7518 ネットワン 順調な利益成長を見込む。
・2326 デジアート 有害情報をフィルタリング。
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