ユーロ週間見通し:下げ渋りか、域内経済回復への期待持続

2020年6月13日 15:02

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記事提供元:フィスコ


*15:02JST ユーロ週間見通し:下げ渋りか、域内経済回復への期待持続
■弱含み、欧米株安を嫌気してユーロ売り強まる

先週のユーロ・ドルは弱含み。米国金利の先高観は後退したことから、ユーロ買いが強まる場面があったが、欧米株安を嫌気してユーロ売り・米ドル買いが活発となった。12日発表のユーロ圏4月鉱工業生産は3月に続いて大幅な減少を記録しており、リスク回避的なユーロ売り・米ドル買いが優勢となった。取引レンジ:1.1213ドル-1.1422ドル。

■下げ渋りか、域内経済回復への期待残る

今週のユーロ・ドルは下げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)による金融支援策への期待は消えていないこと、ユーロ圏諸国の経済活動は拡大しつつあることから、域内経済の回復を見込んだユーロ買いが再び強まる可能性がある。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)導入への観測から、ドルは買いづらい。

予想レンジ:1.1170ドル−1.1370ドル

■反落、ウイルス感染第2波を警戒してユーロ売り強まる

先週のユーロ・円は反落。ドイツの4月鉱工業生産や4月輸出の大幅な落ち込みが嫌気された。さらに、米国での新型コロナウイルス感染の第2波への警戒から世界的に大幅な株安となったことによって、リスク回避的なユーロ売り・円買いが広がった。取引レンジ:120円26銭−124円12銭。

■下げ渋りか、域内経済回復への期待持続

今週のユーロ・円は下げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)の金融支援策への期待は残されており、ゆるやかな景気回復への期待でリスク回避的なユーロ売りは縮小する見込み。米連邦準備制度理事会(FRB)のよる長短金利操作への思惑が広がっていることは、ユーロ買い材料となる。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・15日:4月貿易収支(3月:+282億ユーロ)
・19日:4月経常収支(3月:+274億ユーロ)

予想レンジ:119円50銭-122円50銭《FA》

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