借金に祖母の介護も…。不遇なヒロインと寡黙な中年男性、不器用な二人が心を通わせていく姿に感動

2020年5月31日 21:42

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記事提供元:ムビコレ

『マイ・ディア・ミスター 〜私のおじさん〜』

●盗聴から始まる年の差男女の交流を描いた感動作

毎日を頑張って生きていてもままならないことがあるのが人生。写真:DVD−BOX1&2 各12,000円 レンタルは全16巻(全30回) 発売元:コンテンツセブン 販売元:TCエンタテインメント (C)STUDIO DRAGON CORPORATION

『マイ・ディア・ミスター 〜私のおじさん〜』 ●盗聴から始まる年の差男女の交流を描いた感動作 毎日を頑張って生きていてもままならないことがあるのが人生。写真:DVD−BOX1&2 各12,000円 レンタルは全16巻(全30回) 発売元:コンテンツセブン 販売元:TCエンタテインメント (C)STUDIO DRAGON CORPORATION[写真拡大]

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『マイ・ディア・ミスター 〜私のおじさん〜』

 ●盗聴から始まる年の差男女の交流を描いた感動作

 毎日を頑張って生きていてもままならないことがあるのが人生。しかし、そこで腐らず懸命に突き進めば、一筋の光は見えるのだろうか――。暗い雰囲気の中で話が展開する中、主役2人の幸せを願わずにはいられないヒューマンドラマ。

 ・悲壮感漂うストーリー、でも人々の優しさや繋がりに胸を打たれる『マイ・ディア・ミスター 〜私のおじさん〜』その他の写真はこちら

 大手建設会社の安全診断3チームの部長で構造エンジニアのパク・ドンフン(イ・ソンギュン)は、花形の設計チームから左遷されたものの、部下たちの信頼も厚く、平凡な日々を過ごしていた。その会社の派遣社員として働いているのがイ・ジアン(IU〈アイユー〉)。小学生の頃に逃げた母が残した借金と、病気の祖母、ボンエ(ソン・スク)のために夜は飲食店でアルバイトもしている。

 ある日、勤務中のドンフンの元に5000万ウォン(日本円で500万円)の商品券が届く。差出人不明で怪しいことこの上ないが、直前に母、ピョン・ヨスン(コ・ドゥシム)から無職の長男パク・サンフン(パク・ホサン)のために店を出してあげたいという相談を受けたばかりだった。開業に必要な資金も5000万ウォン。驚きのあまりに、とっさに自分のデスクの引き出しに入れてしまう。帰り際にソワソワしているドンフンの元にジアンが「お腹空いたから奢って」と唐突に言ってくる。商品券のことが気になりながらも食事、酒を奢るドンフン。終始無言の2人をドンフンの弟、パク・ギフン(ソン・セビョク)が店の外から見かけ、ドンフンの携帯に「隣の女は誰だ?」とメールを入れる。その後、ジアンはとっとと帰ってしまった。

 次の日、ドンフンは商品券の入った封筒がなくなっていることに気づく。そこに監査が入り、収賄容疑にかけられてしまうものの、結局はジアンがゴミ箱に捨ててくれたおかげで難を逃れることができた。実は、常務パク・ドンウン(チョン・ヘギョン)を陥れるためにドンフンの大学の後輩で会社の代表理事ト・ジュニョン(キム・ヨンミン)が仕組んだ罠だった。パク・ドンウンとパク・ドンフン。名前が似ていたために間違って届いたという、まさに韓国ならではの“あるある”。しかし、ジュニョンにとってパク・ドンウンとパク・ドンフンどちらとも会社から追い出したい存在であるのは事実であった。

 ドンフンはジアンに商品券を捨ててくれたことのお礼を言うと、代わりに1カ月間、夕飯とお酒を奢るように交渉される。その一方で、ジアンはジュニョンと、パク・ドンウン常務とパク・ドンフン部長の2人を会社から追いやるという契約を交わし、ドンフンの盗聴を始める。彼の会話を聴くうちにその人柄に慰められるのだった――。

 ●とにかくやることが大胆! 危なっかしい女性をIUが熱演

 このドラマの見どころの一つは、清楚で可憐なイメージの強い人気歌手IUの体当たりの演技。幼なじみで借金取り立てをする闇金業者の男、イ・グァンイル(チャン・ギヨン)から不器用な愛情表現なのか度々暴力を受けている。顔面にアザを作っても、大きめのサングラスをかけ、平然と出社するジアン。何よりビックリしたのは、退社際に会社の備品である個装パックのコーヒーを大量にポケットに入れるのをはじめ、お金が払えないために介護施設を追い出される祖母ボンエをベッドごと運び出すシーンだ。

 そのほかにも、ドンフンに届いた商品券を持ち出し、自分の借金返済に充てるふりをしてまた持ち帰るなど、見ていてハラハラするシーンが満載。見ていて辛いだろうなと思える状況なのに決して泣いたりせず、弱音も吐かない。ただし、口を開けば辛辣なことばかり言う。会社では終始無言で淡々と事務処理をこなしており、こんな人周りに1人はいるかも、と感じずにはいられないリアルな人間像だった。

 ●『パラサイト 半地下の家族』に出演のイ・ソンギュンに癒される

 このドラマの最大の見どころは、ドンフンのさりげない優しさ。会社の帰り際にスーパーでジアンを見かけ、お金が足りずにトマトを買えなかったのに気づいて自分が買ってあげる。ジアンが会社の備品を持ち帰ったことに気づいても特に咎めもせず、温かく見守っている。ドンフンは三兄弟の真ん中で、長男サンフンは勤め先をリストラされ起業したが失敗。三男ギフンも昔は天才映画監督とあがめられたもののその後はパッとせず、長男と実家暮らしをしている。つまり、母、ヨスンにとって次男ドンフンだけが頼りになる存在なのだ。三兄弟のやりとりを見ていると、なんだかホッとさせられる。

 ドンフンの妻、カン・ユニ(イ・ジア)は弁護士をしており、野心のない夫に苛立ちを感じているよう。そんなこともあり、ユニは大学の同期でドンフンの会社の代表理事、ジュニョンと不倫をしている。ジュニョン自身、財閥の妻との結婚で社長になったものの、その後離婚。大学時代からユニに片想いしていたことから先輩で部下のドンフンに劣等感を抱いているようだ。商品券の収賄容疑の際にも、どさくさに紛れてドンフンに退職届を出させようとしていた最低男なのである。

 ●百想藝術大賞を総ナメ! 演技、作品のクオリティの高さは折り紙付き

 2019年百想藝術大賞では、ドラマ作品賞のほか、男性新人演技賞(チャン・ギヨン)、脚本賞を受賞。そのほか、イ・ソンギュン、IUも最優秀演技賞にノミネートされた。OSTも心に染み入る名曲ばかり。特に、IUが作詞した『Dear Moon』は、聞いているだけで一気にドラマの世界観が蘇ってくる一曲だ。

 冒頭から地味で暗い雰囲気の漂うドラマではあるが、偏見なく接するドンフンに徐々に心を開いていくジアンに少し安心させられる。そして、彼女によって自分を取り戻していくドンフン。辛いとき、周りの人のさりげない一言に励まされることがある。まさに、人の繋がりの大切さを実感させられる瞬間。深い感動を呼ぶラストにも注目したいドラマだ。(文:渡邉啓子/ライター)

 『マイ・ディア・ミスター 〜私のおじさん〜』 
BS11:毎週月〜金曜日 午後1:59〜3:00 放送中

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