いちご Research Memo(5):2020年2月期は物件売却好調により過去最高益の営業利益を更新

2020年5月28日 15:05

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記事提供元:フィスコ


*15:05JST いちご Research Memo(5):2020年2月期は物件売却好調により過去最高益の営業利益を更新
■業績動向

1. 2020年2月期の業績概要
いちご<2337>の2020年2月期通期は、売上高が前期比4.6%増の87,360百万円、営業利益が同5.5%増の27,721百万円、経常利益が同5.7%増の24,395百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同46.7%減の8,201百万円と営業・経常が過去最高益を達成する一方で、当期純利益は減益となった。

過去最高の営業利益に大きく貢献したのは主力の心築事業である。内訳としては、不動産譲渡損益が17,158百万円(前期比15.2%増、2,265百万円増)であり、高い利益率での物件売却ができたことが要因である。不動産賃貸損益は11,940百万円(前期比7.2%減、927百万円減)だった。保有資産177物件、242,321百万円の想定NOI(Net Operating Income、営業純利益)では5.9%(前期と同等)であり、堅実に不動産価値の向上を実現したことがわかる。ストックとフローの両面でバランス良く稼げているのが同社の特長だ。アセットマネジメント事業では、いちごホテルにおける物件売却益の成果報酬やベース運用フィーが堅調に推移したことなどによりセグメント利益が増加した。クリーンエネルギー事業は、前期に竣工した発電所の稼働により売電収入が増加したものの、発電所の減価償却費の増加などによりセグメント利益は微減となった。

当期純利益が減少した理由は、新型コロナウイルスの感染拡大による保有不動産の再評価をいち早く反映し、評価損を織り込んだためである。同社が保有するホテルや商業施設のなかで業況悪化が顕著な物件に関して、販売可能価額を検証し、帳簿価額を下回ったものにつき低価法を適用し、評価損7,487百万円を含む8,065百万円を特別損失に計上した。弊社では、2020年2月末の段階でバランスシートにおける将来のリスクをいち早く織り込み、信頼性の高いバランスシートを堅持した取り組みは、投資家への透明性を重視したものとして高く評価している。


財務基盤は健全。「JPX日経インデックス400」で上位200社にランクアップ
2. 財務状況と経営指標
2020年2月期末の総資産残高は前期末比14,383百万円増の333,726百万円となった。固定資産は114,366百万円増であり、保有する不動産の多くを販売用不動産から固定資産へ振り替えたことにより、有形固定資産が増加したことが主な要因である。流動資産は99,982百万円減であり、販売用不動産は93,032百万円の減少となった。

負債合計は前期末比15,635百万円増の232,119百万円となった。そのうち流動負債は2,375百万円増であり、1年内返済予定の長期借入金が増加したことなどが主な要因である。そのうち固定負債は13,259百万円増であり、長期借入金が増加したことなどが主な要因である。

経営指標では、流動比率(484.4%、200%以上が安全の目安)、固定長期適合率(69.8%、100%以下が安全の目安)など極めて安全性が高い。自己資本比率は30.1%だが、外部鑑定士が鑑定する鑑定評価額をベースとする不動産の含み益や同社に帰属しないリスクを控除した自己資本比率では44.9%とより高い数値になる。2016年8月には、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした株価指数「JPX日経インデックス400」へ組み入れられ、連続してその地位を維持している。さらに2019年8月には、総合スコアで上位200社にランキングされた。ちなみにこの総合スコアは、3年平均ROE、3年累積営業利益、選定基準日時点における時価総額が指標となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)《EY》

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