欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米トランプ政権の対中制裁に警戒も

2020年5月27日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米トランプ政権の対中制裁に警戒も
27日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。世界的な制限措置の緩和で、経済の正常化を見込んだ株高を背景に円売りに振れやすい見通し。また、米トランプ政権による対中制裁への警戒感から、安全通貨のドルは売りづらいだろう。

日本をはじめ世界的な制限措置の緩和が好感され、前日はリスク許容度の上昇で株高を背景とした円売りに振れた。同時に、安全通貨のドルも売り優勢となり、欧州通貨やオセアニア通貨はドル、円に対して上昇基調を維持。この日発表された米消費者信頼感指数が予想を下回ったものの、前回並みの内容となり、底堅い経済指標がドルを下押しした。本日アジア市場もその流れが引き継がれ、日本株高を手がかりに円売りが先行。ただ、中国や香港の株安でリスク選好ムードは弱まり、前日と比べドル売り、円売りは限定的となった。

この後の海外市場では引き続き株価にらみの展開となりそうだ。欧米株式先物は堅調地合いを維持し、ドル売りと円売りの基調に変わりはないだろう。また、足元の経済指標から欧州の回復ペースを好感したユーロ買い・ドル売りが続き、ドル・円に下押し圧力がかかりやすい。ただ、中国政府の香港統治をめぐり、米国は中国の政府当局者や企業などへの制裁措置を検討しているもよう。トランプ大統領は週末までに内容を明らかにする方針でリスク回避の円買いに振れやすい半面、ドルは警戒感から売りづらく、下げは想定しにくい。

【今日の欧米市場の予定】
・23:00 米・5月リッチモンド連銀製造業指数(予想:-40、4月:-53)
・01:30 ブラード米セントルイス連銀総裁がバーチャル会議参加
・02:00 米財務省・5年債入札
・03:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
・04:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁がバーチャル討論会参加《FA》

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