マツダ、ホンダ、日産、生き残れるのか? (2) 驚異「トヨタ:売上高1%減・営業利益1%減」

2020年5月19日 11:46

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■驚異は【売上高減と営業利益減の差】
 ・トヨタ :売上高 1.0%減 ・ 営業利益 1.0%減
 ・マツダ :売上高 3.8%減 ・ 営業利益47.0%減
 ・ホンダ :売上高 6.0%減 ・ 営業利益12.8%減
 ・日産(予):売上高13.0%減 ・ 営業利益83.0%減

【前回は】マツダ、ホンダ、日産、生き残れるのか?(1) 【前置き】誤解するので読まないでほしい

 5月16日現在、予測を含めて発表されている2020年3月期(2019年4月~2020年3月)の決算数字が意味するところは、ホンダ、マツダ、日産に比べて、トヨタは売上高減にしては営業利益が下がっていないことだ。つまり、【売上高減と営業利益減の差がない】ことに注目だ。

 一般論として『営業利益率5%程度』の製造業であったとすると、売上高が1%減となってしまったら、売上高減の絶対額は、営業利益の絶対額では「計算上1/5」で20%減となる。その中で変動費(材料費など)が50%ならば、10%の営業利益減となるはずだ。つまり、モデル的に考えれば、売上高減は営業利益で賄うものなのだ。

 しかし、これでは経営は市場の変動に左右されやすく安定しない。そこで、変動費を出来るだけ早く下げ、固定費と思われる部分も売上高減に連れて下がるようにしておきたいのだ。それが「TNGA」の狙いの主たるところなのだ。

 かつて、トヨタがリーマンショックで赤字転落し、「トヨタかんばん方式」が崩れていたことに気付いた。さらに、マツダの「スカイアクティブ・システム」に先行されていたことにも気付きショックを隠せなかったであろう。VWや「ルノー・日産・三菱」の3社アライアンスにも生産台数で抜かれても、「多く造ればよいと言うものではない」と自信を示していたのは、現在のような事態を想定して内部カイゼンに努力している時期だった。

 2輪部門が好調のホンダでさえ、売上高が6%しか下がっていないにもかかわらず、営業利益を12.8%減と2倍下げてしまっている。日産も危機的状態と見てよいだろう。このあたりの数字の違いが、「ビジネスモデル」を理解している経営陣であるのか否かを表している。

 「金融知識によって気付かない数字であるはずがない」のだが、【トップから現場までのガバナンスをどのように取ればよいのかのイメージ】がわかないのであろう。この欠点は数年前、製造業の品質問題が現れた際、各社の「品質管理」の考え方に強く表れていた。つまり、「設備更新とマニュアル化、教育」しか対策を思いついていないのだ。「組織の長」としてはお寒い限りであったメーカーがいくつか見られた。

 このように通常の場合、売上高が下がるとまず営業利益が下がるので、率とすれば営業利益が大幅に下がるものだ。マツダは売上高3.8%減でも営業利益を47%減も落としてしまっている。マツダは、ぎりぎりのところにきているので、率で表すのは既に正確ではない状態だろう。

 しかるに、トヨタが「売上を下げたと同率の下げ幅以内に営業利益の下げ幅を収められた」のが注目点だ。「トヨタ:売上高1%減・営業利益1%減」の驚異である。これが、「経費を販売実績に合わせて変動できる」、そして【サプライヤーを含めた膨大な全社的システム(資本関係のないサプライヤーを含めて)】である「TNGA」の「実力の片鱗」であろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: マツダ、ホンダ、日産、生き残れるのか? (3) インテリジェントファクトリ―も生活の場

関連キーワード本田技研工業マツダトヨタ自動車日産自動車ルノーTNGA

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