相場展望5月11日号 株価は利益成長と共に成長が原則、今は真逆で1株利益減少のなかでの株高が続く(1/2)

2020年5月11日 07:59

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・ブラックスワン飛来後の戻りも、範囲を超えるかに注目

■I.米国株式市場

●1.米NYダウ、SP500は転換点を通過するか

 1)NYダウ推移
             NYダウ    PER     EPS
  高値   2月21日   29,551ドル  23.01倍  1,284ドル
  暴落   3月23日   18,591     14.45    1,286
  戻り高値  4月30日   24,345     19.89    1,224
(注)PER:株価収益率 EPS:1株当たり利益

【前回は】相場展望5月7日号 米国・日本株の振り返りと、2~3番底の予想シナリオ 「日経平均上昇」と「1株利益(EPS)低下」の共存は矛盾

 2)NYダウは2月21日高値から▲10,960ドル下落後、4月30日戻り高値24,345ドルまで+5,754ドルと下落幅に対して戻り率65.0%。黄金比61.8%を超えた。

 3)転換点に立つ
  ・5月08日現在のNYダウは24,333ドルとダブルトップを形成。

  ・チャートでは、(1)全値戻しで上昇 (2)下落 の転換点に位置する。

  ・悪材料は無視し、好材料に反応するという市場が続いている。この転換点となるダブルトップを超えて、(1)さらに上昇するか、(2)何かのきっかけで悪材料に反応し始めるかに注意したい。

  ・ただ、環境は良好。
   (1)過剰マネーの継続、
   (2)マイクロソフト、フェイスブックなどハイテク株が好調で相場を牽引、
   (3) 経済活動再開と新型コロナ薬品開発振興への期待の高まりなど。

  ・ファンドの中間決算に当たる6月末をにらんだ解約のリスクに注目。解約申込はファンドによって(1)45日前 (2)30日前があり、5月は解約対応の資金化の売りが出やすい。

●2.米株式市場は経済指標の悪化と、センチメントの良さという不安定な均衡のなか上昇

 1)失業率4月が最悪の結果だったが、株式市場は予想数値より良かったことを『好感』して買われた。
  ・失業数値   予想    実績
   失業率   16.0%  ⇒ 14.7%
   失業者数 2,200万人  ⇒ 2,050万人

 2)新型コロナ影響のよる在宅勤務増加の影響もあり、ITサービス業界が好調で、増益のマイクロソフト、フェイスブックなどが米株式市場を牽引する状況が続く。

●3.4月米失業率、14.7%と急速に悪化

 1)4月米雇用統計、非農業部門雇用者数は戦後最悪の2,050万人減。(3月は70.1万人減)
  ・新型コロナ感染拡大による経済活動停止で、過去10年分の雇用増をわずか1カ月でほぼ帳消しにした。

  ・3月失業率は4.4%から急上昇し、1930年代の大恐慌の25%に次ぐ深刻な事態に直面した。

  ・米国市場最悪のマクロ経済データ報告といえる。

  ・米議会予算局(CBO)は失業率が7~9月期に16%に悪化した後、年末までに11.7%まで回復すると予測。しかし、米経済の再開が順調に進まず、企業の人員整理や経営破綻が拡大した場合、失業率は高止まりするおそれがある。

 2)新規失業保険申請件数は5月2日までの7週間で3,350万件。
  ・失業は、宿泊・飲食サービス・小売などの分野に集中する様相が強まる。

  ・失業が上記の業界から広範に削減が広がるなら、「不況が幅広く経済に波及」を示す。

●4.米中、貿易合意の実行で協力を誓う ⇒ 株式市場は好感して上昇

 1)米中の通商交渉トップが4月8日、中国の劉副首相と米国通商代表部ライトハイザー代表、ムニューシン米財務長官が電話協議した。

 2)電話協議は、年初に合意した内容を改めて確認したに過ぎず、これを材料とした株価上昇は『危うさ』を感じる。

●5.企業動向

 1)JPモルガン  行員の職場復帰は段階的に行うとして、行員をオフィスに戻す予定はまだない。従業員25万人余りのうち7割が3月末からテレワークに移行している。
 2)GM      ジャンク債(投機的水準)並みの条件で40億ドル(約4,300億円)の起債を実施した。発行利回りは7年債で米国債を6.35%も上回る水準。
 3)グーグル   柔軟な在宅勤務を年末まで延長。7月からオフィスに戻ることもできる。
   フェイスブック  同上。
 4)マイクロソフト  1~3月期決算の純利益は、前年同期比+22%増の107.5億ドル(約1.1兆円)。
 5)フェイスブック  1~3月期決算の売上高は前同期比+18%増、純利益は倍増の49億ドル。

●6.各国の状況

 1)オーストラリア  GDPはピークから▲10%縮小、消費も▲15%減と予測。

続いて、「中国株式市場」「日本株式市場」の分析、「注目銘柄」へ

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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