相場展望5月7日号 米国・日本株の振り返りと、2~3番底の予想シナリオ 「日経平均上昇」と「1株利益(EPS)低下」の共存は矛盾(2/2)

2020年5月7日 07:07

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■III.日本株式市場

●1.日経平均の振り返りと、今後の予想シナリオ

 1)三尊天井を形成し、下落の方向性を示唆
  (1)三尊 2018年01月 24,129円。
       2018年10月 24,448円
       2020年01月 24,115円

 2)新型コロナ感染拡大と原油安でNYダウ下落したのを起因として
  (1)1月17日高値24,115円から、3月19日の16,358円までの短期間で▲32.1%暴落

 3)戻り節目の50%達成
  (1)3月23日から戻り基調となり、4月30日に節目の下落に対する50%戻り20,365円を達成(下げ幅▲7,757円に対して、上げ幅+4,007円と戻り率+51.6%)。

 4)2番底~3番底もあり得る
  (1)あふれる失業者や企業業績悪化で実態経済は厳しさを増していることに意識が傾く。大きく戻したため、反動を覚悟。

  (2)2番底としては、『5~6月』、日経平均は『15,000~16,000円』を想定。3番底は『8~9月』で、日経平均は『14,000~16,000円』を想定。

 5)10月以降は、『本格上昇』

●2.日経平均が上下する最近の構図

 1)上昇時は、(1)NY株上昇が牽引 (2)野村の買戻し。
 2)下落時は、野村の売りに対して、日銀のETF買いなど官製相場が下支えする。という構図。

●3.企業業績悪化のなかで、日本株が上昇するという、共存は矛盾

 1)日経平均PERは16.50倍(5/1)に上昇、EPSは1,189円(5/1)に低下した。
 2)結果としては、株価下落を呼び込むことで矛盾解消するのが歴史の教え。
 3)4/30に日経平均は(1)NY株大幅上昇と(2)原油高を背景に、半値戻しを一時達成したが、終値では失速して半値戻しが未達に終わったことから、当面の株価は調整に入る可能性が高い。

●4.5月1日、日経平均の下落

 1)野村が売り筆頭で、メリルリンチとモルガンスタンレーが売り方に付いたためで、市場全体が総悲観に転じたということではない。
 

●5.緊急事態宣言の延長で経済損失▲45兆円の試算(第一生命経済研究所)

 1)新型コロナ感染拡大で日本企業の経営環境が一段と悪化。
 2)事業者・個人への支援の重要性高まる。
 3)支援の穴埋めに、新型コロナ終息後は大増税が必至。

●6.東証1部上場企業で決算発表した199社、1~3月期の純利益(前年同期比)▲67.3%減

 1)新型コロナ感染拡大により事業環境が急速に悪化した。東京証券取引所第1部の上場会社で4月30日までに決算発表した199社で、全体の13.5%に当たる。

 2)新型コロナ感染防止に向けた行動自粛にともない、航空・鉄道会社では赤字転落が続出。純利益の減少率は、製造業▲59.3%、非製造業▲76.7%と落ち込んだ。

 3)東証の調べでは、2部を含めて392社が3月決算発表を当初予定から延期した。

●7.企業業績

 1)百貨店の売上高  4月は▲7割超減、「5月は数字無いかも」の声。
 2)三井物産     2021年3月期の連結純利益は前期比▲54%減の1,800億円の見通し。

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)

 1.コロナ後は、省人化投資が進展を想定
    ・6594 日本電産
    ・6954 ファナック
    ・6981 村田製作所

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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