相場展望4月20日号 株式相場反発追うか?底をにらむか? 見極めの難所(1/2)

2020年4月20日 09:20

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・世界景気後退で原油など資源価格低下、行き場のないマネーが株式・債券市場に流入

■I.米国株式市場

●1.先週の米株式市況

 1)米株式は、新型コロナ感染対策の外出制限を受けて、インターネットのアマゾンと動画配信のネットフリックスの株価が過去最高値を更新。マイクロソフトなどIT関連株も上昇し、相場を牽引した。

【前週は】相場展望4月14日号 米国株の高値は、FRBの支援によるもので盤石でない 新型コロナ収束の期間次第で今後が変わる

●2.国際通貨基金(IMF)は14日、2020年世界経済成長率を▲3.0%と予測、大恐慌以来の悪化

 1)減速理由:新型コロナ感染拡大で、外出禁止・集会制限が消費や生産に悪影響及ぼす。

 2)国別成長:ユーロ圏▲7.5%、米国▲5.9%、日本▲5.2%、中国+1.2%、新興国全体▲1.0%

 3)今後予測:2020年後半に感染収束し、2021年は世界全体で+5.8%を見込む。

 4)懸念:パンデミック(世界的流行)の長期化や再発で一段と大きい景気悪化の恐れ。

●3.新型コロナによる移動制限から経済停止 ⇒ 米経済再開に関する発言

 1)トランプ大統領(共和党)
  ・米経済をいつ再開するかは「大統領の決定」とし、16日に経済活動再開の指針を公表。

 2)ブラド―米セントルイス連銀総裁
  ・米経済再開はリスク管理次第で、新型コロナ発生率が低下して経済再開すれば米経済は 急速に回復する可能性がある。

  ・新型コロナによる経済活動停止で、1日当たり約250億ドルの経済損失を被っている。

 3)NY州のクオモ知事(民主党)
  ・NY州民に新型コロナリスがあるなら、トランプ氏の経済再開命令に従わずと、14日表明し、ロックダウンを5月15日まで延長を決めた。NY州含む周辺7州の内、6州の知事は民主党。

  ・経済再開を「大統領選挙での再選のために、政治利用すべきではない」と牽制した。

●4.米株式は見極めの難所に位置している 『反発を追うか? 底をにらむか?』

 1)米株式市場は、新型コロナの世界的流行が続く中で、急反発している。こうした中で、
  (1)本格的な強気相場を見込んで買い攻勢をかけるべきか
  (2)再び直近の安値に向かう可能性をにらみ買いを見送るべきか
    投資家は難しい判断に向き合っている。

 2)株式市場は新型コロナが及ぼす経済や企業業績への影響を完全には織り込んでいない。したがって、米国の景気後退入りがほぼ確実で、過去3週間で1,680万人が失業保険給付を申請した。

 3)バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチのリポート
  ・過去の景気後退期の弱気相場を参考にすると、SP500が今年3月23日に付けた安値を再び試したり、割り込んだりしなかったりすると、それは異例なことだと指摘した。

  ・過去の景気後退局面では弱気相場は平均で約11ヵ月続いている。

 4)野村のリポート
  ・最近の株価反発は「熱気に欠け、無機質な、弱気相場と特有の値上がりだ」とした。

 5)ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)が前例のない景気対策に乗り出し、特に市場心理改善のために大規模な資産購入を決断したことは、心強いと受け止める意見が多い。世界最強の中央銀行であるFRBが『これ以上、株式相場を下げさせない』という姿勢を明確にした、という見方もある。

●5.米国株式市場は、過剰なマネーが引き起こす、過剰な「楽観」に傾き、ミニバブルの兆し

 1)FRBによる超金融緩和をベースに加えて、経済活動再開を材料にして米国株式が上昇。

●6.米経済指標が悪化

 1)米小売売上高、3月は▲8.7%減(予想▲8.0%)、新型コロナで過去最大の落ち込み

 2)米設備稼働率、3月は予想74.0%を下回り72.7%

 3)鉱工業生産統計・製造業生産指数とも、3月▲6.3%減と1946年2月以来の大幅落ち込み。

 4)NY州製造業指数、4月は前月から56.7ポイント低下のマイナス78.2と過去最低を記録。

●7.企業業績(1~3月期)

 1)米JPモルガン    ▲69%減益。
 2)米シティ      ▲46%減益。新型コロナで貸倒引当金50億ドル積み増し。
 3)米ゴールドマン   ▲49%減益。新型コロナで貸倒引当金積み増し。
 4)米バンカメ     ▲45%減益。新型コロナで貸倒引当金36億ドル積み増し。
 5)米ブラックロック  ▲23%減益。株価急落で運用ファンドから1兆ドルの資金流出。

●8.企業動向

 1)ボーイング  20日以降からコロナで停止した生産再開、600億ドルの政府支援を要請。

●9.原油価格は新型コロナ流行で、大幅下落し、油種によってはマイナス価格も現れる

 1)WTI   4/17 18.12ドル/バレル

 2)先週末にOPEC+は減産で合意したが、新型コロナによる需要喪失規模は減産幅をはるかに超えた。

 3)需要喪失は日量2,000~3,000万バレルに対して、OPEC+の5~6月の減産は970万バレルであり、原油価格の下げ止まり感は出ていない。また、原油生産量第1位の米国は、OPEC+の減産合意に不参加で、悲観論がくすぶる。

 4)世界大手石油会社は設備投資削減、シェール企業は3割削減や連邦破産法適用申請も出た。

続いて、「中国株式市場」、「日本株式市場」の分析へ

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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