相場展望3月26日号 今週の日経平均上昇は異常、短期か、むしろ警戒

2020年3月26日 10:23

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■I.米国株式市場

●1.米株式市場は超乱高下の繰り返し

 1)23日、米ダウは19,000ドル割れの▲582ドル安。高値からは▲37.1%安。

【前回は】相場展望3月23日号 『夜明け前が1番暗い』欧米でパニック売りが爆発 欧米のコロナによる混乱はこれからがピーク

 2)24日、史上最大幅+2,112ドル高(前日比+11.3%高)、経済対策に期待。

●2.米上院、2兆ドルの米経済大規模支援策を2回目の採決でも否決も、合意近い

 1)共和党と民主党の協議がまとまらず継続討議。 

 2)米株式市場は失望感が広がり下落したが、合意見通しで一転大幅高。

●3.米連邦準備制度理事会(FRB)は米経済支援のため無制限資産購入を発表

 1)『米経済は深刻な混乱に直面する』との見通しに基づいた措置。

 2)この措置は、「吉」とでるか?「凶」とでるか?
   最近2回のFRBの金融緩和策は、米株式市場の大幅下落を引き起こしている。

●4.世界恐慌への不安強まる

 1)ゴールドマン・サックスが指摘する「投資家心理改善の重要3項目」
  (1)新型ウイルスの蔓延を速やかに抑制できるか
  (2)企業が、3~6ヶ月間維持できる十分な資金を確保できるか 
  (3)政府による財政刺激策が、成長見通しを安定させることができるか

 2)ゴールドマン・サックスは、ビジネス閉鎖が債務不履行や閉店、長期雇用削減につながった場合、企業収益に与える損害は新型ウイルス終息後も長期化すると警告している。

 3)米経済成長の見通し
                1~3月期 4~6月期 
   ゴールドマン・サックス   ▲6%  ▲24%
   モルガン・スタンレー         ▲30    
   ブラード・セントルイス連銀総裁    ▲50(失業率30%)

 4)今後8週間のうちに新型ウイルス蔓延の抑制や財政支援策で断固とした進展がなければ、消費者も事業家も経済活動の正常化を始められない。経済において、世界経済が恐慌入りするとの不安が強まりつつある。

●5.資源価格は世界経済の後退を示唆

 1)CRB指数(国際商品先物指数)
   2019.12.28 187ポイント⇒ 2020.3.18 120  下落幅▲35.7%
   
 2)WTI原油価格
   2020.01.06 63.27ドル ⇒ 2020.3.19  19.64 下落幅▲69.0%
      

■II.中国株式市場

●1.中国経済は散々な1~3月期で「GDP▲10~11%縮小も」

 1)米調査会社チャイナ・ベージュブック・インターナショナルは、「中国は目が飛び出るような1~3月期になる」と公表した。

 2)「世界各国のウイルス問題で、中国がコントロールできなくなった」ためと指摘した。

■III.日本株式市場

●1.3月下旬の日経平均の上昇は異常、反動安に警戒

 1)期末特有の上昇要因
  (1)日銀のETF買い(保有するETF30兆円の含み損対策もあり?)
  (2)公的年金の買い(3月末の評価改善ねらい?)
  (3)自社株買い  (3月末の株価を意識)
  (4)機関投資家の買い(3月末の評価損益を意識)
  (5)配当と優待券取りをねらった買い
 2)上記事項に加えて、
  (6)野村証券を通じた先物の売残解消で、買戻しを急ピッチに進展
  (7)ソフトバンクGの、大型の自社株買い発表を好感した買い
  (8)短期筋が便乗してた買い仕掛け(逃げ足の速さに注意したい)

 3)懸念は、3月期末の株価を意識した要因が多く、4月以降に継続する事項が少ないこと。

 4)先物市場では、外国人投資家による買残の『解消売り』が継続中である。

 5)よって、買い事項が減るので、売り方が優位となる局面を警戒したい。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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