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分散投資の新しい考え方 オルタナティブ投資とは
投資の基本の一つに「分散投資」がある。値動きの違うものに分散して投資しておくことで、安定的な運用が目指せるというものだ。
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だがこれまで、「値動きの違うもの」とされてきた投資商品である、株式、債券、また投資先としての先進国、新興国などを分散して組み合わせていても、〇〇ショックと呼ばれるような状況になると、分散効果が発揮されない。こうした状況を改善する分散投資の考え方として、オルタナティブ投資を挙げてみよう。
世界中を不安の渦に巻き込んだ今回のコロナウイルス騒動は、健康不安だけでなく、金融資産にも影を落としている。人と物の移動が制限されることによって経済活動の停滞が起こり、企業の業績にも悪い影響を及ぼすと考えた世界中の投資家が、一気にリスクオフに傾いた。機関投資家は株や債券を一定のルールに従って売却し、個人投資家もリスク性資産の現金化に急ぎ、資産価格の下落が起こっている。
加えて日本円は世界では安全資産とされ、〇〇ショックのようなときには円買いに向かいやすくなる。今回も3月9日に米ドル円は一時101円台を付けた。為替が円高に傾くことは、世界に投資した資産が日本円換算で目減りする要因となってしまう。
ここで紹介したいのは、オルタナティブ投資だ。オルタナティブとは直訳すると「もう一つの選択」「代替手段」といった意味で、これまで主に投資先としてきた株式や債券の代わりになる投資方法も組み合わせて、収益を狙う手法になる。従来の一般的な投資先とは値動きの相関性が低い、広範囲にわたる投資対象も利用する考え方だ。
例としては、金、現物不動産、インフラ投資、未上場のベンチャーへの投資、下落トレンドで売りのポジションで利益を得る、などが挙げられる。直接投資する他、これらに投資するヘッジファンドに投資し運用していく。
オルタナティブ投資は、これまで富裕層や多額の資金を運用する機関が行うものと思われてきたが、個人で取り入れることも可能になっている。例えば上場投資信託(ETF)で金を投資対象とするものやインフラ投資ファンドがある。
また、オルタナティブ投資の運用方針を持つ投資信託も、証券会社を通じて購入することができる。旧来の株や債券といった投資先の他に、新しい分散投資の考え方として参考にしてみてはどうだろうか。
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