相場展望3月23日号 『夜明け前が1番暗い』欧米でパニック売りが爆発 欧米のコロナによる混乱はこれからがピーク(1/2)

2020年3月23日 07:41

小

中

大

印刷

■I.米国株式市場

●1.NYダウ、トランプ大統領就任時を下回り、就任後の上げ幅を「帳消し」

 1)3月20日終値は、トランプ大統領就任式の2017年1月20日の終値を▲650ドル余り下回る19,173ドルまで下落した。

【前週は】相場展望3月17日号 現在は極端に売られ過ぎ、だが買いは4月前半か 新型コロナウイルスはいずれ終息

 2)高値(終値ベース)からの下落率は▲35.1%。

●2.4~6月期の米経済成長は、新型コロナ感染拡大で記録的なマイナス予測

 1)米金融大手は年率換算で経済見通しを引き下げ、景気後退を指摘。
  ・ゴールドマン・サックス予想 ▲24%(年率換算)(3月20日時点)
  ・JPモルガン・チェース予想 ▲14%(年率換算)(3月18日時点)

 2)過去四半期ベースで最も成長率が低かったのが、
  ・1958年1~3月期の▲10%
  ・2008年10~12月期のリーマン・ショック時で▲8.4%

 3)失業率も9%まで悪化すると見ている。(2020年2月の失業率3.5%)

●3.米2兆ドル(約220兆円)の景気刺激策を検討

 1)2兆ドルは国内総生産(GDP)の約10%。

 2)国民への現金給付を含む大規模な景気刺激策の検討を明らかにした。

●4.米経済指標では、米経済がリセッション(景気後退)したことを示唆

 1)米国のNY連銀製造業景気指数は、3月で▲21.5と、2019年6月以来のマイナスで米国経済の景気後退時2009年3月以来の低水準となった。2月の12.9からは▲34.4%の下落で、下落幅は過去最大を記録。新型肺炎による影響が現れた初めての指標となる。

 2)米国株式市場は「市場最高値から▲30%下落という弱気相場入りで、歴史的からも景気後退入り」と言われている。

 3)CNBC調査では、回答者の67%が景気後退を予想、1月調査では41%だった。

 4)米10年債利回りは9日に0.543%まで低下し過去最低値を付け、米国債相場は景気後退をすでに織り込んだとの見方もある。

 5)米国では、(1)株価暴落の逆資産効果と(2)非常事態宣言で店舗閉鎖等となり、米GDPの70%を占める消費の急激な収縮を招き、米国のリセッションはほぼ確実となりそう。

●5.米WTI原油価格が、18日に2003年4月以来17年ぶり20ドル台と安値へ

●6.米国株、売りが売りを呼ぶ展開に、ヘッジファンドも「ついに白旗」

 1)NYダウは20日、再び節目の2万ドルを約3年1ヵ月ぶりに割り込んだ。

 2)米トランプ政権の経済支援策や、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和策拡充を好感した買いは短命だった。

 3)新型コロナウイルス感染拡大で、景気の不透明感が増し相場の底は見えず。個人やヘッジファンドからの連鎖的な売りが出るパニック的な展開が続く。

 4)市場は恐怖と不確実性に反応しており、株価の底値形成には新型コロナの感染拡大を封じ込め、経済的損害を限定する必要がある。

 5)世界でリスク回避のための換金化の売りが膨らみ、ドル需要が高まり円安。

 6)格付け大手のS&Pは、米企業のデフォルト(債務不履行)率が10%を超える可能性があると警告した。

●7.トランプ大統領、国防生産法を発動し、医療用物資不足で国産化促進

●8.米政権、新型ウイルスで異例の全ての渡航中止と帰国勧告(日本も対象)

 1)米国内の感染者数2.4万人超え、285人が死亡。(3月21日現在)

 2)景気後退が懸念される世界経済に、さらなる打撃となる可能性がある。

●9.欧州の自動車生産、新型ウイルスによる人の移動制限で、ほぼ生産停止状態

●10.国連事務総長、「世界景気後退は新型コロナ流行で、ほぼ確実」

●11.VIX(恐怖)指数(米SP500のVIX指数)

 1)VIX指数は、3月17日に84.83と、リーマン・ショック当時の過去最高値(2008年10月24日 89.53)に迫った。

 2)市場の不安心理(恐怖)は極限状態にあるとみられる。20日は3年1ヵ月ぶりの株価低水準を記録しながらも、20日時点で67.26と目先的にはピークアウト感が出始めているとも見える。
   ・過去のVIX指数      時期      VIX指数
     ITバブル崩壊     2001年09月21日 49.35
     リーマン・ショック  2008年10月24日  89.53
     チャイナ・ショック  2015年08月24日  53.29
     新型コロナ・ショック 2020年03月17日  84.83
        2020年03月20日  67.26

 3)一般投資家は、VIX指数40まで待ってから投資するのが良い投資方法。

●12.米ボーイング、政府保証融資600億ドルを求める、一時解雇も検討、株価暴落


・続いて、「中国株式市場」「日本株式市場」の分析、「注目銘柄」へ

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

記事の先頭に戻る

関連キーワード日経平均NYダウTOPIXアメリカ中国村田製作所中小企業日本銀行(日銀)オリンパスボーイング日本郵船新型コロナウイルス

関連記事

広告

財経アクセスランキング

広告

写真で見るニュース

  • ポルシェ・タイカン(画像: ポルシェAGの発表資料より)
  • インドで発表されたコンパクトSUV日産マグナイト(画像:日産自動車の発表資料より)
  • 木星を周回し火山から噴煙を上げる衛星イオのイメージ (c) ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), I. de Pater et al.; NRAO/AUI NSF, S. Dagnello; NASA/JPL/Space Science Institute
  • おとめ座付近にある多数の恒星によるシェル状構造 (c) レンセラー工科大学
  • クラウドファンディングで販売されているLanmodo NVS Vast Proの利用イメージ画像。(画像: TS TRADE発表資料より)
  • (画像: UNIの発表資料より)
  • ルノー ルーテシア(画像: ルノー・ジャポンの発表資料より)
 

広告

ピックアップ 注目ニュース