相場展望3月17日号 現在は極端に売られ過ぎ、だが買いは4月前半か 新型コロナウイルスはいずれ終息(1/2)

2020年3月16日 17:19

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・米FRBの利下げがもたらす株価上昇効果は3回まで、4回目以降は「経済悪化のサイン」となり株価下落へ

■I.米国株式市場

●1.米国株式は景気後退の懸念が台頭しパニック売り、高値から▲28.2%下落

 1)NYダウは高値(終値)1月17日29,551ドル ⇒ 3月12日21,200ドルと▲8,148ドルの下落。

【前回は】相場展望3月9日号 新型肺炎が最悪シナリオ『景気後退』を引き起こすと

 2)理由は、(1)原油の急落 (2)新型コロナウイルス感染拡大により、
  (1)米経済を支える個人消費への悪影響 
  (2)サプライチェーン(部品供給網)の混乱 
  (3)旅行の減少など、リセッション懸念が台頭し、
パニック売りを誘発した。

 3)VIX(恐怖)指数は3月12日ダウが▲2,352ドル安となった時、『75.47』と急騰した。

●2.トランプ大統領が新型コロナに対応し、国家非常事態を宣言、入国制限28ヶ国に

 1)災害救助や緊急援助を定めたスタフォード法に基づき、連邦政府による州・地方自治体へ5兆円超を含めた支援を強化する。

 2)欧州諸国28ヶ国に対しても、米国への入国制限実施。

 3)「ヒト」の移動制限が経済活動に制約となり景気にどう影響するか?注視。

●3.米国株の弱気相場が「最後のとどめ」か? 景気後退入り確率80%を示唆

 1)米主要3株式指数のSP500が直近高値からの下落率▲20%以上を記録したケースは過去93年間で13回あるが、それから1年以内に米経済が縮小したのは、1987年と1966年の2回を除く11回あった。

 2)SP500は12日、▲9.5%安と1987年のブラックマンデー(暗黒の月曜日)以来の大幅下落となり、過去最長の強気相場に終止符が打たれた。新型コロナウイルスによる経済への打撃が、株価値下がりを直撃し、消費者心理に影響を与えるからだ。

 3)恐怖指数(VIX)は、2008年以来の高値75.47を3月12日に付けた意味は、投資家が先行きについて疑問視した、という見方が出ている。

 4)「この相場低迷は、過去最長の景気拡大に最後のとどめを刺す可能性が高い」、との指摘もある。

●4.米FRB、(1)大型資金供給決定の効果は不透明、(2)再利下げは悪い結果に

 1)米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)は、短期金融市場に2日間で1兆5,000億ドル(150兆円)の資金供給を行なうことを決定。

 2)毎月600億ドル(6兆円超)の国債買入も決定。

 3)ただ、市場の動揺は収まっておらず、どこまで効果を上げられるかは不透明。

 4)経験則では、
  (1)米FRBの利下げに対する株式相場への上昇効果は3回目まで。
  (2)4回目以降の市場の受け止め方は、『そんなに悪いのか』と下落を促す。
   よって、3月に入っての4回目に続き5回目の利下げも失敗の可能性高い。

●5.大荒れの原油相場、一時▲30%安、サウジ増産とロシア協調減産拒否、需要減で

 1)新型肺炎で景気悪化による需要減を見越す。
 2)サウジは協調減産に加え、さらに日量40万バレルを自主減産している。
 ロシアの拒否に反発し、サウジは自主減産を4月に止め、日量産油量さらに引き上げると報じられたのがきっかけで、原油相場は大幅下落した。
 3)米シェール企業の経営破綻の行方とジャンク債516億ドル償還に暗雲。

●6.米債券市場は安全資産として米国債が買われ、利回りは過去最低を記録

 1)(1)新型コロナウイルスの蔓延に加え、(2)原油相場の急落 (3)景気や企業業績の懸念が強まり、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。

 2)米10年国債利回りは一時0.31%を付け過去最低を大幅に更新し、引け値でも過去最低の0.54%、30年国債も一時初の1%割れとなった。

 3)金利の急上昇時には「恐ろしい」倒産発生を予測する向きがある。

●7.ドル・米株が急反発、米大統領の新型ウイルスへの対策表明で

 1)ただし、トランプ大統領の記者会見内容を見極めることが必要。

 2)米政府の対策は、経済の悪化を和らげるだろうが、感染拡大を止められたわけではない。

 3)今後もボラタイルな展開が続くだろう。
  (1)もし、再びリスクオフになれば、ドル円は100円が視野に。
  (2)一方、市場が冷静さを取り戻し、新型コロナを巡るポジティブな面を見るようになれば、ドル安・円高が始まった107円~108円台前半まで戻すかも。

●8.米国で感染者数が急増すると、株安と個人消費への懸念が増す可能性

 1)今までの米株急落は感情的な反応であった。

 2)感染拡大で、経済実態の悪化が表面化すると、別の急落を招く懸念が濃厚。

●9.欧州中央銀行(ECB)総裁、「金融危機に匹敵する」と示唆

続いて、「中国株式市場」「日本株式市場」の分析、「注目銘柄」へ

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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