【AIシミュレーション】新型コロナウイルス感染、45日間で最大25億人 死者5290万人

2020年3月10日 16:34

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 『新型コロナウイルス感染、45日間で最大25億人、死者5290万人』、いくら最大予測だとしても衝撃的数字だ。しかし、AIシミュレーションには前提条件がある。この予測を発表したのは「フォーブス誌」だ。フォーブス誌はアメリカの「権威ある経済紙」と見られており、発行者一族の1人にオバマ政権時代の国務長官ジョン・ケリー氏がいる。

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 このシミュレーションの前提条件には、「このまま、何も対策しないと・・・」ということがある。現実には対策は必ずされていくのであり、このAIシミュレーションの通りにはなるまい。さらには、新型コロナウイルスは致死率が低いとされているため、パニックになる必要はないであろう。

 しかし、「死者5290万人」と言えば、例えば地球上から韓国が消え去る規模であり、日本の人口の半数が死亡するといった内容だ。この数字を発表してしまった以上、対策がとられていく中での結果についても、「フォーブス誌」にはシミュレーションしてもらわねばならないだろう。その責任を果たしてもらいたい。

 その一方で、この記事に接した我々は、「AIによるシミュレーション」の限界も認識せねばならない。何より、AIが学習したデータが「未知のコロナウイルス」に通用するのかは定かではない。「過去のSARSやMERSのデータをどの様に解釈したのか?」を示して、AIの「認識の偏り」を予測しておかねばなるまい。

 中国においては、新型コロナウイルスのデータは変化してきており、初期段階での武漢の「医療崩壊」などを「どの様にAIに学習させた」のかも示すべきだ。単なる感染モデルではほとんど当てになるまい。中国がとってきた対策との関連なども、条件を示さねばならない。

 新型コロナウイルスについて、現状では「ワクチンはなく、特効薬もない」条件となるが、これから開発の確率をどのように条件として取り入れるのか?など、シミュレーションデータを発表するには教師データが乏しい状況と言える。

 しかし、現状の対策としては基本的に「隔離する」以外に方法がないことも確かだ。「中国の武漢閉鎖」は衝撃的だが、現在の日本の事情と比べると、対策としては強力であることは確かだ。その中国では「武漢の閉鎖は4月末まで」と見込まれている。

 日本では、この自由な状況と、医療崩壊を招かないようにする政府の慎重な施策に、それを受け止める国民の姿勢が成果を上げるカギとなろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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