相場展望2月27日号 日経平均の今回の底値20,500円、時期は4月と予想 米国株が世界株の反転の先導役に変わりなし

2020年2月27日 12:10

小

中

大

印刷

■I.米国株式市場

●1.株式市場と新型肺炎の関係

 1)新型肺炎は、病原的には風邪と変わらず致死リスクは低いが、感染力が強いため、人とモノの流れが寸断されることによる経済的損失リスクが大きい。

【前回は】相場展望2月25日号 中国との関係濃度で国別・銘柄の選別進む 米国の長短金利差の縮小・逆転に警戒

 2)新型肺炎リスクは、株価大幅下落のトリガーに過ぎず、米中貿易戦争の第1段階合意を過大評価した楽観的相場が終わったことが、最大の下落要因。

●2.米国2日間の下げ幅は▲1,911ドルで過去最大

 1)2月24日、世界的な同時株安で、NYダウは2月24日▲1,031ドル安の27,960
ドル。

  ・韓国やイタリアなどで新型コロナウイルスの感染者急増で、世界経済に懸念が強まり、欧州株式市場で株価が続落した流れを受けて、米国株式市場もNYダウなどが急落。
  ・下落率は▲3.56%で、2018年2月以来およそ2年ぶりの下げ幅を記録。

 2)2月25日、NYダウは▲879ドル安

  ・世界で蔓延する新型肺炎が米国でも広がる懸念が強まった。
  ・米景気と企業業績への悪影響が警戒され、銀行や資本財など景気敏感株を中心に幅広い銘柄が売られた。

 3)この2日間の下げ幅は▲1,910ドル安で、下落幅は▲8.35%。

  ・2018年2月2日からの2営業日の下げ幅▲1,840ドルを抜いて過去最大。
  ・米疾病対策センター(CDC)は米国内で感染蔓延に備え、教育機関や企業に特別対策を講じるように呼び掛けた。
  ・トランプ大統領は25億ドルの緊急予算措置を議会に要請する方針。

●3.今回の株式相場は、3段下げ(下げと戻りの繰り返し)を予想し、今は第1段階

 1)チャートでは、NYダウは『三尊+ダブルトップ』を2月12日軸に形成し、下落の可能性を示唆していた。

 2)予想下げ幅は、(1)と(2)の間で、(2)に近い可能性。
             底値     下落幅
  (1)▲10%下げ : 26,595ドル ▲2,955ドル 
  (2)▲20%下げ : 23,640ドル ▲5,910ドル

 3)3段下げの底値の到達時期は、3カ月後の4月半ばを想定。

 4)但し、トランプ大統領とFRBのサポートで1カ月後の3月後半が底になる
可能性も。

 5)とりあえず今回第1段階の下げに対するトランプ大統領のサポートで戻り高を予想する。

●4.米国経済の一人勝ちに変わりはなく、世界株の反転は米国株が先導役に


●5.パンデミック宣言なら、深刻なシナリオとなる可能性(ブルームバーグ)

 1)オックスフォード・エコノミクス
  ・新型肺炎が国際的に拡大した場合、世界の総生産を1兆1,000億ドル(約110兆円)を吹き飛ばし得る。それは、米国とユーロ圏の両方が2020年上期にリセッション(景気後退)に陥るシナリオだ。
  ・これは、(1)労働者の休日日数急増 (2)生産性の悪化 (3)旅行需要の減退 (4)サプライチェーンの混乱による生産・販売の支障 (5)貿易と投資の減少 を合わせた影響だ。

 2)国際通貨基金(IMF)
  ・世界成長率は現在3.3%と見積もっているが、新型肺炎によって▲0.1%押し下げる。
  ・パンデミック宣言があれば「本格的な下振れと深刻なシナリオのリスク」があるとの見方もある。

 3)UBS
  ・世界成長率が3.5%から0.5%に大幅低下し、中国経済は1~3月期にマイナス成長になると警告している。


■II.中国株式市場

●1.上海総合指数は、『国家隊』による官製の株価操作のため参考にならず

 1)世界同時株安の中で、上海総合指数は頑強に留まっているが、これは官製の株価操縦のなせるところ。

 2)これは、新型肺炎が引き起こす国民の動揺を鎮めるための、中国共産党による1党独裁維持対策の1つとみる。


■III.日本株式市場

●1.日本株の環境

 1)株価の支えだった円安進行が止まり、外資系の先物の売りが加速。

 2)中国依存度が高いため、中国経済の悪化とともに、企業業績の悪化と、日本経済の鈍化リスクが高まる。

●2.日経平均株価の下落予想

 1)過去の下落率からみた日経平均底値の予想
                    下落率  下落幅 ⇒底値予想
  (1)2015年12月01日⇒2016年02月12日▲28.3% ▲6,816円⇒17,267円
  (2)2018年01月23日⇒2018年03月23日▲14.5% ▲3,492円⇒20,591円
  (3)2018年10月02日⇒2018年12月25日▲21.1% ▲5,081円⇒19,002円

 2)上昇幅からみた日経平均底値の予想
      2018年12月25日 ⇒ 2020年01月20日
        19,155円       24,083円  ⇒ 上昇幅 +4,928円
 
    下落率予想 下落額    底値予想
  (4)38.2%  ▲1,882円  22,201円
  (5)61.8%  ▲3,045円  21,030円
  (6)76.4%  ▲3,764円  20,318円

 3)上記の数値から、『20,500円程度』を底値の目安とみました。

 4)いずれにしても、トランプ大統領とFRBの株価サポート効果は強烈のため、底値メドは大きく影響を受けます。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

記事の先頭に戻る

関連キーワード日経平均NYダウ中国新型コロナウイルス

広告

財経アクセスランキング