相場展望1月29日号 米国株に「新型肺炎」がブラックスワン? 目先は反動高も

2020年1月29日 11:38

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●1.世界の株式市場にとって危険信号

 1)特に、最高値更新に沸いた米国株にとって、「新型肺炎」がブラックスワンとなる懸念が高まった。2018年終盤に起こったVIX(恐怖指数)ショックの再来する可能性がでてきた。

【前回は】相場展望1月27日号 過去最高の株高を叩き出す米国株、危険信号も 日本株は一部外資の売りの兆しで、ピーク感漂う

 2)正体不明の悪材料は、株式市場では過剰に嫌気されやすい。

   ・2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)発症時のWTOの終息宣言まで、半年掛かっている。

   ・その時の株価下落率は大幅となっている、

 3)「新型肺炎」情報が混乱
  (1)感染力
    ・新型肺炎を引き起こす新型コロナウイリスの感染力は強く、SARS以上ともいう見解がある。
    ・当初は感染力が弱いという説もあった。

  (2)感染者数
    ・中国の人民日報では、感染者数は4,607人で、死者106人(1月29日零時)。
    ・ノースイースタン大学の研究班は、感染者数予想を25,000人以上との見方。
    ・香港大学の研究者は、感染者数は既に40,000人を超えていると見ている。
    ・SARSの感染者数6,000人の10倍以上の60,000人以上となるとの見解。
    ・住民や政府の衛生意識の低さのため、既に制御不能との見解もある。

  (3)感染拡大期間
    ・「数ヵ月」続く可能性

●2.株式市場への影響

 1)過去、SARSがもたらした株式市場の推移

   ・ただ、当然ながら、この悪材料は永続的なものではない。

   ・SARSの場合は、3ヵ月で発症者増加ペースがピークアウトし、その後2ヵ月後に収束宣言をした。株価は患者数のピークまで下落基調が続いた。その後、株式市場も平常に戻った。

 2)今週前半の動き
 
  ・中国政府による(1)武漢と周辺地域の封鎖、特に(2)春節の期間延長で株式市場が動揺し、株価は大幅下落した。

  ・NYダウは1月17に史上最高値を付け、翌営業日の1月21日から5連敗・▲813ドル安と急落した。特に1月27日は新型肺炎ショックで▲463ドル安となった。

  ・米国株に連動する日経平均株価は1月27日に▲483円の下落となった。

 3)今週後半の予想

  ・直近の下落に対する反動で、株価は反発しやすい地合いとなる。

 4)今後の予想

  ・今週前半の、先物手口を見ると海外勢は僅かな売りで動かず、下落の主因は国内勢の売りだった。海外勢の売りはCスイス、ゴールドマン・サックスなど一部にとどまり海外勢の追随は弱かった。そのため、目先は反動高となりやすい状況と見る。

  ・ただ、新型肺炎による中国の経済停滞により、中国発の経済低迷が日本・韓国などアジア諸国に、ひいては米国・欧州など世界に波及すると思われる。

  ・新型肺炎の患者数ピークが今年春と予想され、それまでは株価下落の可能性がある。SARS発生した時の株価下落率は▲14.3%だった。今回その下落率を当てはめると最終的に20,600円まで下落か。

  ・「下落⇔反動高」の繰り返しをしながら下落基調が続く可能性があり、慎重ながらも上下動の波に乗った大胆な対応をしたい。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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