相場展望1月27日号 過去最高の株高を叩き出す米国株、危険信号も 日本株は一部外資の売りの兆しで、ピーク感漂う(1/3)

2020年1月27日 10:46

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■I.米国株式市場

●1.米国株は今年、順調なスタートを切った

 1)米国株を代表する指数のSP500種は、2020年初からの上昇率は+3%と好調。
 2)上昇の要因は、
   環境では、
   (1)米中貿易戦争がひとまず休戦となった
   (2)低金利
   (3)明るい米経済見通し
   などに後押しされた。
   よって、住宅着工件数以外では前月比悪化にも拘わらず市場心理は良いところ取りの楽観思考の高まりで米国株は最高値を更新。
   個別では、
   (1)好決算を発表した大手銀行と、
   (2)アップルやインテル、マイクロソフトで構成する情報技術が年初来+6%上昇と米株式市場を牽引している。

【前週は】相場展望1月20日号 金融相場でバブルが膨らみ続け、米株の独り勝ちでダウ3万ドルも

●2.ただ、今でも多くの投資家は慎重姿勢を続けていること示す巨額待機資金の行方?

 1)米投資信託協会(ICI)によると、機関投資家などの待機資金が2018年10月末の残高が310兆円だったが、2020年1月17日時点で約400兆円に増加している。

 2)この意味は、(1)先行きの株価下落を読んだ、利益確定売りもあっての資金滞留増加が継続
        (2)巨額な待機資金の買い出動によって、NYダウ3万ドルへのサポートとなる
    といずれにも読める。

●3.SP500の恐怖指数(VIX指数)から見ると超楽観的過ぎな状況を示す

 1)恐怖指数が1月17日に『12.10』ポイントを付け、超楽観的な現況を示した。
 2)懸念事項              
   (1) 今までの株価は、2020年の企業業績改善を織り込んだものだったと思われるので、春以降の業績予想の修正次第では相場に冷や水を浴びせる可能性に懸念がある。
   (2) 情報技術セクターの株価は過去1年間で+50%上げており、株価収益率(PER)は22倍で、2005年以来の高水準となっていることの懸念。
   (3)SP500のPERも18.8倍と高水準に位置したことの懸念。これは2018年VIXショック時の18.7倍を超えたPERを示現した。投資家が『過剰流動性に頼って、米国株の上昇を信じて疑わないことが、リスク』として意識される水準になっていると解釈も可能になっている。

●4.2020年の企業業績の見通しからは堅調な展開を予想できる

 1)SP500の企業利益見通し
   (1)2019年10~12月期  四半期計画の全体比では▲0.8%減。
                内、エネルギーセクターを除くと、+1.9%増益。
                内、テクノロジー企業は+0.6%増益。
   (2)2020年の企業業績   SP500企業全体での前年比増益率は+9.2%。
                内、テクノロジー企業の前年比増益率は+10.4%。

 2)トランプ発言「90日以内に中間層向け減税」を発表

●5.米国株は▲10%調整(下落)は「いつでも起こり得る」発言があり

 1)米ヘッジファンド投資会社創業者のスカラムチ氏はダボス会議でのインタビューで、
   (1)FRB(米中央銀行)の金融緩和政策のおかげで、市場のモメンタムはなお健在。
   (2)『米国株は上向き方向だが、▲10%の相場調整は、いつ起きていてもおかしくない』
   (3)ハイテク株の株価収益率(PER)は危険圏にあり、2期連続の減益が迫りつつある。
   (4)景気減速がPERを圧迫した2003年のような事態になってもおかしくない。
   と語った。

・続いて、「中国市場」の分析へ

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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