23日の香港市場概況:ハンセン1.5%安で急反落、新型肺炎の拡大に警戒感

2020年1月23日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 23日の香港市場概況:ハンセン1.5%安で急反落、新型肺炎の拡大に警戒感
23日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比431.92ポイント(1.52%)安の27909.12ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が222.48ポイント(1.99%)安の10952.22ポイントとそろって急反落した。ハンセン指数は心理的節目の28000を再び割り込み、約1カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる。売買代金は1187億600万香港ドル(22日は1014億9300万香港ドル)。

新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、投資家心理が再び冷え込む流れ。武漢市で最初に発生した新型ウイルス肺炎は、22日までに患者数が500人を超え、うち死亡は17人を数えている。香港やマカオでも、初の感染例が報告された。当局は対策を強化しているものの、春節の大型連休を目前に控え、さらなる感染増が危ぐされている。発生源の武漢では、23日午前10時から航空機の出発便や市外に向かう列車の運行を停止する緊急措置を導入した。経済に与える影響に関しては、「マイナス影響はそれほどない」との指摘はあるものの、不安は払しょくされていない。2003年のSARS(サーズ、重症急性呼吸器症候群)まん延時には、経済活動が鈍化し、株式や不動産が大きく値下がりした経緯がある。

ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面安(総数50のうち下落49)。通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が5.6%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が4.6%安、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が3.9安、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が3.8%安と値下がり率上位に並んだ。中国聯通に関しては、2019年の11%増益見通しを明らかにしたものの、アナリスト予想に届かなかった点が失望されている。

セクター別では、交通・運輸、旅行などレジャー関連が安い。中国国際航空(753/HK)が3.6%、中国南方航空(1055/HK)が3.5%、中国東方航空(670/HK)が2.6%、海南美蘭国際空港(357/HK)が6.2%、北京首都国際機場(北京国際空港:694/HK)が4.8%、香港中旅国際投資(チャイナ・トラベル:308/HK)が5.2%、同程芸龍HD(780/HK)が4.5%、上海錦江国際酒店集団(2006/HK)が3.5%ずつ下落した。

中国保険セクターもさえない。中国太平保険HD(966/HK)が3.6%安、中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が3.3%安、中国太平洋保険集団(2601/HK)が2.7%安、中国人民保険集団(人保集団:1339/HK)が2.5%安、新華人寿保険(1336/HK)が2.4%安で引けた。

中国不動産セクターも売られる。世茂房地産HD(813/HK)が5.3%安、合景泰富集団HD(1813/HK)が4.6%安、中国金茂HD(817/HK)が4.2%安、融創中国HD(1918/HK)が3.6%安、雅居楽集団HD(3383/HK)が3.3%安と値を下げた。

本土マーケットも反落。主要指標の上海総合指数は、前日比2.75%安の2976.53ポイントで取引を終えた。交通・運輸、旅行などレジャー関連株が安い。金融株、消費関連株、自動車株、不動産株、ハイテク株、資源・素材株、資源・素材株、公益株なども売られた。約1カ月ぶりの安値水準にまで下落し、心理的節目の3000を今年初めて割り込んでいる。半面、医薬品株の一角は急伸した。

【亜州IR】《FA》

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