『ジョーカー』が日米共に大ヒット ヒットを後押しした4つの要因とは?

2019年10月8日 17:30

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記事提供元:ムビコレ

10月4日から日米で同時公開された『ジョーカー』が大ヒットしている。写真:『ジョーカー』 (C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C)DC Comics

10月4日から日米で同時公開された『ジョーカー』が大ヒットしている。写真:『ジョーカー』 (C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C)DC Comics[写真拡大]

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 10月4日から日米で同時公開された『ジョーカー』が大ヒットしている。米国では週末3日間で興収9620万ドルをあげ、10月公開作の歴代新記録を樹立した。「暴力を助長する内容だ」と一部の評論家が批判。『ダークナイト ライジング』の時のような不測の事態に備えて警官の配備を強化する映画館が出たり、上映を中止する映画館が出たものの、観客の関心度は高かった。

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 一方、日本でも大ヒット。週末3日間で興収7億5566万円をあげ、昨年秋公開のアメコミ映画『ヴェノム』の出足を約27%上回った。2週目以降の動員にもよるが、最終的に『ヴェノム』の興収22.5億円を上回る可能性が高い。今年のアメコミ映画は『アベンジャーズ/エンドゲーム』(60億円)を筆頭に、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(30億円)、『キャプテン・マーベル』(20億円)、『アクアマン』(16億円)とヒットが相次いでおり、「アメコミ映画の当たり年」となった。

 『ジョーカー』はアメコミ映画には珍しく悪役を主人公にしたダークなテイストで、この点は『ヴェノム』と同じだ。だが『ヴェノム』のような派手なアクションシーンがなく、サスペンス映画という点がアメコミ映画では異色だ。夏の洋画は『アラジン』『トイ・ストーリー4』『ライオン・キング』と明るいディズニー映画が大ヒットしたが、秋になり「ダークなテイストの作品もたまには見たい」という観客を引き付けたと推測できる。

 日米同時公開ながら、公開1ヵ月前からマスコミ向け試写会を実施した点も異例だ。

 日米同時公開作の試写会は主に2パターンあり、
(1)作品が完成するのが公開前ギリギリになるため、公開直前に試写会を行うか、もしくはまったく行わない。
(2)作品は早めに完成しているが、日米同時公開の話題性やイベント性を高めるため試写会を行わない。

 『ジョーカー』は早めに完成していたこともあり、約1ヵ月間にわたり試写会を実施。マスコミに作品を見せ、しっかり批評してもらう戦略をとった。映画会社が作品内容に自信を持っている表れともいえる。

 口コミで評判が広がることに貢献したのが「ヴェネチア効果」だ。ヴェネチア映画祭で最高賞「金獅子賞」を受賞したことで、作品の評価がお墨付きとなり、マスコミが注目。観客の注目度も高まった。さらに、ヴェネチア映画祭で受賞したことで「アカデミー賞最有力」のキャッチコピーの信頼度も高まった(受賞していなくてもキャッチコピーは使えるが)。

 ヴェネチア映画祭が閉幕したのが9月8日。その約1ヵ月後の公開というスピーディな公開日設定(日米同時公開をとった戦略)も大ヒットを後押しした。(文:相良智弘/フリーライター)

 相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

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