金価格これからどうなる?~もっと知りたい商品先物取引

2019年10月2日 15:47

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記事提供元:フィスコ


*15:47JST 金価格これからどうなる?~もっと知りたい商品先物取引
みなさんこんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。今回のコラムでは金価格が今後どのように動いていくのかを考察したいと思います。

■金価格は足元で下落
まず金価格の動きを確認してみましょう。金価格は5月末から上昇を続けていましたが、9月末から値を崩しています。東京商品取引所(TOCOM)の金先物価格(2020年6限月)は5月31日につけた4,518円(1グラムあたり)を起点に上昇を続け、9月5日には上場来高値の5,304円(1グラムあたり)をつけたものの、10月1日には5,083円まで値を下げました。

■米中協議の動向に注目
これからの金価格を見る上での1つのポイントは米中貿易協議の動向です。この協議について、トランプ大統領は「中途半端な妥協はしない」と強気の姿勢を見せています。ただ、トランプ大統領は1年後に迫った大統領選挙に向けて景気浮揚に眼を配る必要があります。そのためには米中貿易協議をうまく収めて、市場を覆う景気悪化の気配を振り払わなければなりません。このため年内には米中貿易協議も何らかの進展を見せるのではとの観測が信ぴょう性をもってささやかれています。もしそうなれば、株価は高騰しやすく、かつ金価格は下落しやすくなるとみることができます。

■インドでは金需要が低迷
金価格を見る上でのもう1つのポイントとして、インドの金需要低迷が挙げられます。インドは金の国別消費量で世界2位にランクインする金消費大国です。インドでは金の需要が減少した7月に加え、8月も同様に低迷し、金の輸入量は前年同月比68%減の27トンとなりました。そのため海外価格に比べて、インド国内価格は大きくディスカウントされており、地元の地金ディーラーは公式の価格から40-50ドル/オンス(1オンス=約28グラム)の割引で金を販売しているとのことです。以上、これらの要因を踏まえると、今後の金価格は弱含みするとみることもできます。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ

(参考:TOCOMスクエアTV http://commodityonlinetv.com)《HT》

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