【株式評論家の視点】ズームはMogar社の連結子会社化が売上に貢献、二番底形成から上昇へ

2019年9月22日 17:50

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ズーム<6694>(JQS)は、音楽用電子機器の開発及び販売を主な事業としており、「WE’RE FOR CREATORS」という基本理念のもと、世界中のクリエーターがよりユニークでオリジナルな作品を創造できるツールを提供することによってブランド力を向上し、株主、従業員や取引先などの同社グループと関係するステークホルダーから評価される企業を目指している。

 同社は、ポータブルなハンディレコーダーをはじめ、エフェクト プロセッサー、マルチトラックレコーダー、オーディオ・インターフェース、リズムマシン、サンプラーなど、レコーディング機器から電子楽器まで幅広い製品を開発している。30年以上に渡り、最新のDSPテクノロジーをベースにした革新的な製品をリーズナブルなプライスで提供している。「音」と「音楽」に特化した事業を展開、国内では島村楽器、石橋楽器、池部楽器、アマゾン、モリダイラ楽器、山野楽器、ESP、他国内主要楽器店500店舗で、海外では50以上の販売代理店網により世界130か国と幅広い国・地域で「ZOOM」ブランドが浸透している。

 今19年12月期第2四半期業績実績は、売上高40億0100万円(前年同期比31.1%増)、営業利益5300万円(同4.1倍)、経常利益2200万円(同59.3%減)、純利益1500万円(同64.4%減)に着地。Mogar社の連結子会社化が売上高に貢献。原材料の値上りを製品の出荷価格に転嫁したほか、Mogar社のリストラクチャリングが奏功し、営業増益となったが、Mogar社の支払い利息の増加と為替差損の増加、和解金の計上が響き経常利益・純利益は減益となった。

 今19年12月期業績予想は、売上高85億4000万円(前期比10.8%増)、営業利益6億1600万円(同2.4倍)、経常利益6億7300万円(同94.4%増)、純利益4億7300万円(同48.5%増)を見込む。Mogar社が通年寄与するほか、有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法に変更することから、営業利益は4期ぶりに最高益を更新する見通し。年間配当予想は、将来の事業拡大に必要な内部留保を行いつつ配当性向30%を目安として安定的な配当を行うことを基本方針で、期末一括63円(同20円増)の連続増配を予定している。

 株価は、2月18日につけた年初来高値2180円から6月4日安値1313円まで調整。8月29日安値1345円と売り直されて下値確認から9月20日高値1635円と上昇している。同社の売上及び利益は年末商戦に合わせて下期に増加する傾向があり、営業最高益更新見通しは据え置いている。今期予想PER7倍台・PBR0.80倍と割安感があるほか、配当利回り3.8%と利回り妙味もソコソコある。加えて、来20年12月期2ケタ増益が観測されており、26週移動平均線を突破し、リバウンド相場入りとなっている。期待先行ながら、上値抵抗線の7月16日高値1748円奪回から一段と騰勢を強めるか注目したい。(株式評論家・信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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