明日以降はより方向感が掴みづらくなりそう【クロージング】

2019年8月21日 16:12

印刷

記事提供元:フィスコ


*16:12JST 明日以降はより方向感が掴みづらくなりそう【クロージング】
21日の日経平均は反落。58.65円安の20618.57円(出来高概算9億株)で取引を終えた。20日の米国市場では、米長期金利の低下やイタリアのコンテ首相が辞任を表明したことによる同国の政局不透明感が売りにつながっており、米株安の流れから売りが先行した。ただし、連日で売買代金が2兆円を下回る薄商いの中であり、寄り付き直後に付けた20482.62円を安値に、その後はじりじりと下げ幅を縮め、大引け間際には20626.05円まで戻している。カンザスシティ連銀主催による定例の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエルFRB議長の講演、先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)等を控えており、仕掛け的な売買も入りづらい需給状況だった。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1700を超えており、全体の8割近くを占めている。セクターではゴム製品を除く32業種が下げており、電力ガス、ガラス土石、非鉄金属、空運、倉庫運輸、繊維、鉱業、陸運、石油石炭、鉄鋼の弱さが目立っている。また、指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、第一三共<4568>、ユニファミマ<8028>、キッコーマン<2801>が軟調。一方で、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、KDDI<9433>が下支えとなっている。

日経平均は売り優勢で始まったが、これまで同様、その後は短期筋の買い戻し等から下落幅を縮めており、チャート形状としては連日で陽線を形成している。売買代金は3日連続で1.5兆円台と薄商いであり、方向感は掴みづらいところではあるが、ジャクソンホール会議やG7を控えて、買い戻しの流れが優勢といったところであろう。

ただし、明日以降はより方向感が掴みづらくなりそうである。ジャクソンホールに市場の関心が集まるなかで、9月のFOMCでの追加利下げが確実視されているなど、ハト派期待が高すぎる状況である。足元では催促相場的な下げに対するカバーが優勢であるが、パウエルFRB議長講演でトランプ大統領の圧力に屈しないような態度を示せば、再びリスクオフ相場が意識されてくる。ヘッジファンドのドル円ポジションからは急激な円高はないだろうが、警戒感がより売買を手控えさせそうである。《CN》

関連記事