欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米FOMC議事要旨を見極めへ

2019年5月22日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米FOMC議事要旨を見極めへ
22日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開が予想される。欧州議会選への警戒で欧州通貨売り・米ドル買いが増える可能性がある。米ドル・円の取引にも影響を与えそうだが、22日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で金融政策全般に関して慎重な意見が多く含まれていた場合、リスク選好的なドル買いは限定的になりそうだ。

前日の海外市場でドル・円は強含み、2週間ぶりとなる110円67銭まで水準を切り上げた。メイ英首相が2回目の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票の実施を盛り込んだ提案を議会に提出する方針を発表し、合意なきブレグジット回避への思惑から円売りが強まった。ユーロ・円なども買われており、クロス円取引に絡んだドル買い・円売りも観測された。本日のアジア市場も序盤はその流れが続き、株高を手がかりにドル買い・円売りに振れた。
ただ、この後の欧米市場でのドル・円は上値の重い展開となろう。23日から始まる欧州議会選では右派勢力の拡大に警戒が広がり、欧州通貨買いは縮小し、ドル買いが優勢となる可能性がある。また、22日発表の4月30日-5月1日開催のFOMCの議事要旨の内容次第では、米国株式の下落や米長期金利の低下もあり得るとみられており、これらは円買い材料となり得る。なお、米トランプ政権は監視カメラで世界トップの中国メーカーへの禁輸措置を検討中と報じられており、米中貿易摩擦の長期化に対する警戒感が高まり、リスク回避の円買いが強まるとの思惑が浮上している。

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 南ア・4月消費者物価指数(前年比予想:+4.5%、3月:+4.5%)
・17:30 英・4月消費者物価指数(前年比予想:+2.2%、3月:+1.9%)
・17:30 英・4月生産者物価指数・産出(前年比予想:+2.3%、3月:+2.4%)
・17:30 英・4月公的部門純借入額(銀行部門除く)(予想:+59億ポンド)
・21:30 カナダ・3月小売売上高(前月比予想:+1.2%、2月:+0.8%)
・23:00 ウィリアムズNY連銀総裁あいさつ
・23:10 ボスティック米アトランタ連銀総裁開会あいさつ
・03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月30日-5月1日開催分)《FA》

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