平成最大倒産は協栄生命保険の4兆5297億円、上場企業はマイカルの1兆6千億円

2019年4月28日 21:47

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 東京商工リサーチと帝国データバンクが平成期の企業倒産について発表し、平成期に入って大型倒産企業の負債額が兆の桁を越えて大きく増加したことが分かった。

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■上場企業の倒産は234件

 26日、東京商工リサーチが「平成の上場企業倒産」を発表した。平成期における上昇企業の倒産件数は234件。年ごとで最も倒産件数が多かったのは、リーマンショックのあった2008(平成20)年の33件。以下は、2002(平成14)年の29件、2009(平成21)年の20件、2003(平成15)年の19件、1997(平成9)年の14件と続いている。

一方、1989(平成1)年、1990(平成2)年、2014(平成26)、2016(平成28)年には上場企業の倒産は無かった。年平均では7.7件の倒産があり、昭和期における年平均の2.5件と比較して約3倍となっている。

■負債総額は約21兆円

 上場企業倒産の負債総額は21兆9,106億6,400万円。年ごとで最も負債総額が大きかった年は2001(平成13)年の3兆740億8,400万円、以下、2000(平成12)年の2兆6,758億8,100万円、1997(平成9)年の2兆6,349億8,300万円となっている。

 負債額が最も大きかった企業は、2001(平成13)年のマイカルで1兆6,000億円。ついで、1996(平成8)年の日榮ファイナンスが1兆円、2000(平成12)年のライフが9,663億円、同年のそごうが6,891億円と続いている。

■業種別は製造が67件で最多

 業種別では製造業が67件で最も多い。ついで建設業が39件、不動産業が33件、金融・保険業が25件、サービス業他が21件、小売業が18件、卸売業が16件、情報通信業が9件、運輸業が5件、農・林・漁・鉱業が1件。設立年号で分けると、明治期設立が3件、大正期が17件、昭和期が177件、平成期が37件。平成期の設立で倒産した企業の業種では不動産業が10件、金融・保険業が9件で多くなっている。

■平成最大の倒産は協栄生命保険

 26日、帝国データバンクが「平成の大型倒産一覧」を発表した。こちらは上場・非上場にかかわらず、負債額の大きい企業倒産の上位30社をまとめたもの。負債額が最も大きかったのは2000(平成12)年の協栄生命保険で4兆5,297億円。ついで、2008(平成20)年のリーマン・ブラザーズ証券の3兆4,314億円、2000(平成12)年の千代田生命保険の2兆9,366億円となり、上位3社が金融・保険業だった。

 以下、1998(平成10)年の日本リースが2兆1,803億円、2010(平成22)年の日本航空インターナショナルが1兆5,279億1,900万円、同年の武富士が1兆4,949億円と続き、その次に上場企業で最大の負債額だった2001(平成13)年のマイカルが1兆3,881億6,400万円(注:単体)となっている。

■昭和最大の倒産も戦後では26番目

 業種別などで負債額の大きな倒産企業をみると、製造業では9位にタカタの1兆823億8,400万円、銀行では14位に日本振興銀行の6,805億6,300万円、卸売業では16位に東食の6,397億円、不動産業では19位に末野興産の6,000億円、建設業では20位に村本建設の5,900億円がある。リスト最後の30位は山一證券の5,100億5,400万円。

 また、昭和期で最大の倒産は昭和60(1985)年の三光汽船が5,200億円。これは、25位のたくぎん抵当証券の5,391億円に次ぐ金額で、「戦後の大型倒産上位30社のうち29社が平成30年間に発生」したとのこと。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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