PayPay(ペイペイ)のキャンペーン第2弾が、12日から開始されることになった。原資は再び100億円であるが、初回キャンペーンでの学習効果もあってか、配分方式は初回と様変わりしている。ポイント還元率は最大で20%となり初回同様だが、金額で1000円という上限が設定されたため、高額商品の購入で一気にまとまった還元を受けることは出来ない。条件がそろって限度いっぱいのポイント還元を受けても1000円止まりなので、日常生活の中でコツコツと還元を受けることになる。迫力はずいぶん低下したが、短期間に特定の人に還元が集中するよりは、長期間に渡って広範囲の利用者が対象となることは望ましいと言える。
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キャッシュレスサービスを巡るシェア獲得競争は、親会社の豊富な資金力をバックにしたキャッシュレス決済業者が入り乱れて、混戦の様相を呈している。現状の利用者還元率は、12日にキャンペーンを再開するPayPayが上限1000円の枠内で最大20%還元、以下は金額の上限設定がなく、LINE Payは3.5~5%、楽天ペイは0.5%~1.5%、d払い・iD・nanaco(ナナコ)は1%、Suica(スイカ)は0.5~1%となっている。Origami Pay(オリガミペイ)は店舗クーポンで割引という独自性を提供している。
つまり1回の利用で最大の還元効果を受けるのはPayPayで5000円の支払いだ。2万円を超えるとLINE Payが優勢になる可能性があり、その他業者の還元率に大きな差はない。問題は日常的に利用可能な店舗が、どれくらい網羅されているかどうかということである。PayPayと楽天ペイは非公開のため別とすると、LINE Payが130万カ所と最大となり、以下87万店のiD、53万店のSuica、38万店のnanacoと続く(店舗数には公表時差がある)。
1月28日には資本金36億円のLINE Payに、親会社のLINEが200億円の追加出資を行うことが公表された。PayPayが2度に渡り100億円の追加出資を受けているのと同等の規模だ。LINEはLINE Payと連携させて使用できるVisaブランドのクレジットカードを19年に導入する。加盟店は世界5390万カ所に広がり、利便性は一気に他社を引き離す。
キャッシュレスサービスで激しく競合するPayPayとLINE Payは、マーケットの覇権を握ることを狙っているため、目先の利益よりも自社のサービス普及を優先して決済手数料を無料としている。つまり現在はいくら利用が増えても、自社の利益とは何の関係もない数字が積み上がるだけなのだ。いずれ、この積み上がった消費データを分析することで、ネット広告との連動効果を商品化する思惑がある。まだ見ぬ事業モデルで、より良い立場を構築するための競り合いが続いている。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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