2011年に休刊した情報誌『ぴあ』がスマホアプリになって復活

2018年11月30日 19:56

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スマホアプリ版『ぴあ』。(画像:ぴあ発表資料より)

スマホアプリ版『ぴあ』。(画像:ぴあ発表資料より)[写真拡大]

 かつて一時代を築いた情報誌が、スマホアプリとなって復活した。2011年に休刊した娯楽情報誌『ぴあ』が29日、アプリとして「本創刊」されたのである。

【2011年に休刊】エンタテインメント情報誌ぴあ首都圏版、7月21日発売号で休刊へ

 ぴあは1972年に創刊した。当時は情報誌などという言葉すらなかったという。既存の言葉にイメージをしばられたくないということで、ぴあという名前には意味はない。意味から雑誌の名前を作るのではなく、雑誌の名前がその言葉に意味を持たせるように、という野心的な挑戦がそこにはあった。その後、ぴあは1,341号が刊行され、最盛期の発行部数は80万部を数えた。

 しかし「情報誌」というジャンルは、その後インターネットの勃興という波に飲み込まれた。身もふたもないことを言ってしまえば、情報というものは雑誌で調べるのではなくインターネットでサーチするという時代がやってきてしまったのである。そして、2011年、ぴあは休刊した。

 だが、ぴあにとってそれは「終わり」ではなかった。2011年の休刊に際し、「役割をみつけたら再び戻ってくる」というのが同誌の公約であったという。

 新しいぴあの主な機能を見てみよう。まずは、「ぴあ式検索」である。開いた瞬間、「いま」「ここ」で行われているイベント情報が、一覧で表示される。もちろん「希望の時間」「希望のエリア」などを幅広く検索することも可能だ。目的のある検索とは違った、網羅的な表示による、エンターテイメントとの「偶然の出会いと発見」に重きを置いているという。

 さて、往年のぴあファンにとって忘れがたいものが、「はみだしYOUとPIA」という読者投稿コーナーである。これもデジタルならではの見せ方になって復活した。もう一つ、ぴあのアイコンといえばイラストレーター及川正通氏による表紙なのだが、これも「アプリ起動画面」という形になって、周期的に起動画面を描き換えるという形で復活した。

 新時代のぴあの、今後を楽しみにしたい。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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