宇宙のインフレーションの証明目指す「GroundBIRD」望遠鏡を公開 高エネ研

2018年11月28日 21:04

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GroundBIRD望遠鏡(画像: 高エネルギー加速器研究機構の発表資料より)

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 高エネルギー加速器研究機構は26日、宇宙背景マイクロ波背景放射(CMB)の偏光観測を行なえる新型望遠鏡「GroundBIRD(グランドバード)」を茨城県つくば市で公開した。今後、12月にはスペイン領カナリア諸島に運搬し、2019年春から観測を開始する。

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■宇宙誕生の秘密を明らかにするCMB
 CMBは、1964年に米ベル電話研究所のアーノ・ペンジアスとロバート・ウィルソンによって偶然発見され、2人は1978年ノーベル物理学賞を受賞した。ビッグバン直後に発生したと考えられており、CMBの性質を調べることは宇宙誕生直後の様子を観察することを意味する。

 ビッグバンが発生して約38万年後の「晴れ上がり」と命名された時期に、ようやく光が直進できるようになった。この時期の宇宙の温度は約3,000ケルビンと推測される。一方ペンジアスとウィルソンがCMBの温度を測定したところ、現在の宇宙の温度は約数ケルビンと冷えていることが明らかになった。この事実は、宇宙が膨張したことを示し、ビッグバン宇宙論の決定的な証拠となった。

 CMBの観測は、宇宙のさまざまな性質を明らかにする。1989年に米航空宇宙局(NASA)によって打ち上げられた探査衛星「COBE」によるCMBの観測により、宇宙がかつて熱平衡状態であったことが証明された。またその温度が方向によらず一定であることから、宇宙の等方性も証明された。その後も、NASAのWMAP衛星や欧州宇宙機関(ESA)のPLANCK衛星によって、CMBの観測を続けられた。

■原始重力波が生む偏光観測に世界中がしのぎを削る
 現在行われている最先端のCMB研究は、その偏光を測定することにある。ビッグバン宇宙論を発展させたインフレーション理論で提唱されている特定の偏光パターンは、インフレーション時に作られた原始重力波や重力レンズを通り抜けたCMBに存在するという。そのため、この特定の偏光パターンを発見することで、インフレーション理論の直接検証になることから、世界中の研究者がしのぎを削っている。

 GroundBIRD望遠鏡の開発は、高エネルギー加速器研究機構、京都大学、理化学研究所、東北大学などが共同で行っている。CMBの観測を、望遠鏡自体が高速に回転しながら行うことで、偏光観測を可能としているという。全天の約半分をカバーする観測領域の広さを活かし、原始重力波の偏光パターンを捉える計画だ。(記事:角野未智・記事一覧を見る

関連キーワード茨城県理化学研究所(理研)重力レンズ京都大学欧州宇宙機関東北大学高エネルギー加速器研究機構

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