「こうのとり7」ミッション完了 大気圏再突入と回収カプセルの回収に成功

2018年11月12日 17:49

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回収された小型回収カプセルの様子 (C)JAXA

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日、宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機が無事大気圏再突入を完了し、10時25分に「こうのとり7」から分離した小型回収カプセルの回収に成功したと発表した。日本では初となる、国際宇宙ステーション(ISS)からの実験サンプル回収の成功である。カプセルは船舶により回収された後、南鳥島に向かい、そこから航空機での搬送を経て筑波宇宙センターに輸送される。

【打ち上げは】こうのとり7号機 4度の延期でようやく打ち上げ成功

 今回、こうのとり7号機では、小型回収カプセルと共にタンパク質結晶生成実験サンプルがISSに送られている。このサンプルは、ISSの日本実験棟である「きぼう」にて、低温実験用冷蔵庫を使用して4度の低温環境で結晶化された。

 回収カプセルには、この結晶化された成果物が搭載されているが、カプセル内では電力を使わずに保冷するため、魔法瓶構造を活用した真空⼆重断熱容器と保冷剤を搭載し、その内側に実験試料を格納している。真空⼆重断熱容器の開発には、魔法瓶を開発・製造している⼀般企業も参加。電力を使わずにカプセル内の温度を4度に保つ技術と、着水時の衝撃に耐える強度が求められる厳しいものだったが、所望の性能要求を満たす容器の開発に成功した。

 小型回収カプセルのミッションでは、揚力誘導制御技術と世界水準の軽量熱防護技術を用いた。「今回の技術実証で得られる成果は、我が国の地球低軌道からの実験機器等の回収における自在性確保と共に、将来の有人宇宙船にもつながる技術の獲得となる」と、JAXAの山川宏理事長や有人宇宙技術部門長の若田光一氏は喜びの言葉を送っている。

 ISSは約90分で地球を1周しているが、そのうち約35分間は地球の影に入るため、この間の電力は太陽電池パネルからではなく、バッテリから供給されている。現在これまでのニッケル水素バッテリに変えて、日本製のリチウムイオン電池を使用した新型バッテリに交換することが行われている。

 JAXAの来年以降のロケット打ち上げプロジェクトには、「こうのとり8号機」と「こうのとり9号機」がある。これは「こうのとり」6号機から9号機の4機それぞれに、6台のバッテリを搭載して、計24台の最新バッテリが運搬される予定があるからと思われる(ロシア側は独⾃の電力系を有している)。今回大気圏に突入して燃え尽きた本体には、交換済みの12台のバッテリのうち9台が搭載された(残り3台はISSに残されたままの状態)。

 「こうのとり7」は約41日間ISSに係留し、大気圏への再突入をもって約44日間にわたるミッションを完了した。

関連キーワードリチウムイオン電池宇宙航空研究開発機構(JAXA)国際宇宙ステーション(ISS)こうのとり

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