JR東日本、輸送サービス主体から生活サービス IT・Suica事業強化へ

2018年11月12日 11:55

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 東日本旅客鉄道(JR東日本)は11月6日、東京駅・新宿駅・品川駅構内でシェアオフィスの事業展開を目指して実証実験を開始すると発表した。

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 JR東日本では鉄道を起点としたサービス提供から転換し、人が生活するうえでの「豊かさ」などの新たな価値の提供を目指しており、働き方改革、生産性向上へのサポートを目的として利便性が高い駅ナカでのシェアオフィス「STATION WORK」の事業展開の検討を進めることにした。

 JR東日本は、1987年日本国有鉄道の分割民営化により、東北地方、関東地方、甲信越地方を中心に鉄道路線を継承して誕生した。発足当初は1割程度だった非運輸事業が30年後の現在では、ショッピングセンターやオフィス、ホテル、小売・飲食をはじめ、商事・物流、スポーツ・レジャー、不動産管理、クレジットカード、海外鉄道コンサルタントまで多彩な事業となり、非運輸事業が3割を超えるようになってきたJR東日本の動きを見ていこう。

■前期(2018年3月期)・今上期(2019年4~9月)実績と今期見通し

 前期実績は営業収益2兆9,501億円(前年比2%増)、営業利益は前年よりも149億円増の4,812億円(同3%増)であった。

 営業利益増加の要因としては、車両製造を含む運輸事業で61億円、駅ナカの物販・飲食などの流通サービス事業で21億円、駅ビル賃貸など不動産・ホテル事業で6億円、コンサルタント・IT・Suicaなどその他事業で60億円の増益があったことによる。

 今上期実績は営業収益1兆4,869億円(同2%増)、営業利益2,922億円(同0%増)で、今期の計画としては営業収益2兆9,940億円(同2%増)、営業利益4,820億円(同0%増)を見込んでいる。

■グループ経営ビジョン「変革2027」による推進戦略

 今後10年間は社会の変化を見据え、鉄道のインフラや技術・知見を起点とした従来のサービスから、ヒトが生活するうえでの「豊かさ」を起点とするサービスへ転換し、5年後の2023年3月期には営業収益3兆2,950億円(対前期比12%増)、営業利益5,200億円(同8%増)を目指して下記の戦略を推進する。

 1.生活サービス、IT、Suicaサービス事業を拡大し、成長エンジンとする。
 ・FinTechと関連して個人の金融サービス、ホテルのルームキー、移動手段との連携などSuicaの共通基盤化推進。
 ・「JRE POINT」で各サービスを幅広く結びつけ、個別ニーズにきめ細かく対応。

 2.都市を快適に
 ・移動のための情報、購入、決済をオールインワンで提供し、「シームレスな移動」実現。
 ・移動を楽しく、快適、安全に輸送サービスの質的な改革。
 ・横浜駅西口、渋谷駅街区、品川開発など駅とコラボしたまちづくり。

 3.地方を豊かに
 ・観光振興、地域活性化、輸送サービス変革、まちづくりを結び「コンパクト&ネットワーク化」を実現。
 ・地域の魅力ある素材を開発し、加工事業へ参画。商物流機能を強化して6次産業として育成し、地域経済を活性化。
 ・インバウンド需要を拡大、地方への誘客を行うインバウンド戦略の推進。

 人口減少、働き方改革、ネット社会の進展、自動運転技術の実用化など社会の変化に対応し、生活サービスの強化と安全の確保に取り組むJR東日本の動きから目が離せない。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

関連キーワードJR東日本インバウンドコラボレーション自動運転Suica働き方改革

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