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東大ら、AI活用し小腸粘膜傷害を検出へ 内視鏡画像の自動解析システム開発
東京大学とAIメディカルサービスは26日、AIを活用したカプセル内視鏡画像支援システムを開発したことを発表した。小腸びらん・潰瘍という粘膜障害をカプセル内視鏡画像から自動的に検出する。
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これまで小腸びらん・潰瘍といった粘膜障害はカプセル型の内視鏡にて確認することができたが、1患者あたり6万枚近い読影を行うため、読影者にとって大きな負担を強いられていたという。当システムではその負担を軽減できる可能性があるとしている。
機械学習において重要なのはAIに覚えさせる画像データの量と質。今回は5,000枚以上の粘膜障害の画像を準備し、粘膜障害の教育用データを作成したとしている。
研究結果としては、小腸びらん・潰瘍が写った5,360枚の画像をAIが読み込むことで、検出用内視鏡画像1万440枚から91%の確率で正しい診断ができたという。その際、要した時間は233秒。人間の能力をはるかに凌ぎ、内視鏡医が発見できなかった病変も検知するなど、見逃し防止という点でも効果的であったとしている。
2000年に登場したカプセル内視鏡は、これまで診断が難しかった小腸用の検査方法として画期的な役割を果たしてきた。ただ読影に膨大な撮影数と時間を要することから、読影者にとっては負荷が大きいとされていた。
さらにカプセル内視鏡の小腸異常所見のなかでも最も多いのは、小腸びらん・潰瘍といった粘膜障害だが、周囲粘膜との色に変化が乏しいことから病変見逃しの危惧もされていた。
今回のシステムにより、そうした負担や見逃しを改善する可能性があるとともに、AIが学習していくことで診断精度をさらに高めていくとしている。また、従来のカプセル内視鏡は粘膜障害のみならず、ガンや血管異常も検知できることから、AIの学習により多種類の異常も自動検知する可能性が広がるとしている。
今後はさらに改良を重ねていくとともに、医療現場に実装することを目指しているという。これまでカプセル内視鏡は熟練の専門医が必要とされていたが、読影の技術的な負担や見逃しも減らすことが可能になるため、専門医が少ない地域での普及も目指していくとしている。
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