東大、アブラムシが巣に撥水加工する事を発見 世界初

2018年10月22日 08:25

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ボタンヅルワタムシの虫こぶ。直径は約1センチメートル。(画像:東京大学台発表資料より)

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 アブラムシの仲間は植物に虫こぶを作り、そこを巣とする。そしてその中で暮らすのであるが、液状の排泄物をそこから捨てなければならない。その際に効率よく排泄物を巣から排出するため、巣としている植物の表面を撥水加工する能力をアブラムシが持っているという事実を、東京大学の研究グループが発見した。生物が他の生物に撥水加工を施すことが確認されたのは、(ヒトを除外すれば)初めてのことであるという。

【こちらも】葉緑体はどうやって植物との共生を開始した? 阪大などの研究

 アブラムシの排泄物だが、これは甘露とも呼ばれる。実際に糖分を多く含むことからこの名があり、余談ではあるがアリなどの仲間にはこれを食料とするものがあり、アブラムシと共生関係を構築するものもある。

 さて、研究に携わったのは、東京大学大学院総合文化研究科の植松助教と産業技術総合研究所生物プロセス研究部門の深津武馬首席研究員らの研究グループである。研究の対象となったアブラムシは、ケヤキの葉の上に虫こぶを作る種類のボタンヅルワタムシというアブラムシであった。

 生体の体表面には様々な微細構造があり、それだけで様々な分野の研究対象となっている。生体が自然に持つ撥水構造だけを専門的に取り扱う分野もある。例えばバイオミメティクスと呼ばれる分野であり、撥水効果のことをそこでは「ロータス効果」という。ちなみに、ヨーグルトの蓋の裏側がヨーグルトや水分をはじくのも、この分野の研究知見が活用されている。

 ボタンズルワタムシは一つの虫こぶに100匹ほど暮らしているのだが、天敵に襲われたりする心配が少ないのはいいとして、中が甘露でいっぱいになってしまうと窒息したり、病原菌が蔓延するという問題がある。そこで、社会性アブラムシは甘露を押し出して捨てる。

 そしてボタンヅルワタムシの虫こぶの表面を詳細に分析したところ、電子顕微鏡で観察するようなサイズの微小な毛が植えられており、これはボタンヅルワタムシによって加工されたものであることが確認されたのである。

 なお、研究の詳細はBiology Letters誌に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連キーワード東京大学産業技術総合研究所(産総研)

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