【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆米金利攻防◆

2018年10月14日 09:50

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記事提供元:フィスコ


*09:50JST 【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆米金利攻防◆
〇米金利上昇圧力、一旦峠を越えたか〇
休場明けの米債券市場は、売り圧力が一服、10年債利回りは3.204%に低下した。一時は11年5月以来の3.261%に上昇していた。30年債は3.446%から3.363%に低下した。先月のFOMC辺りから急上昇していた長期金利は、フラット派の手仕舞い(長短金利がフラット化ないしは逆転するとのシナリオで、短期債売り+長期債買いのポジションを構築していたものを手仕舞い、短期債買い+長期債売りを進めたと見られる)が主因と見られてきたが、一旦、峠を越えた可能性が考えられる。

株価を圧迫する10年債利回り水準は3.25%辺りから、と見られてきたが、この水準で止まれば、株価の波乱要因にはならないと思われる。8日付WSJ紙は「3.5%が株式市場の転換点か」と題する記事を配信。許容範囲を引き上げ始めたなぁと言う印象だが、当然、上昇ピッチが問題となる。3.2%前後で揉み合った上で、経済状況に大きな変化が無ければ、3.5%水準でも株価の大きな下落・トレンド転換には至らないと考えられる。9日、トランプ大統領は再び「利上げペースが速過ぎる」とFRB批判を行った。「インフレに問題がない局面において、経済成長をわずかであっても減速させたくない」と述べた。株式市場の心理と同じと思われる。

米金利を圧迫する要因は、端的にはインフレ率。市場の関心は雇用統計=賃金上昇圧力から、米中貿易戦争=中国からの輸入減少が他国からの輸入にシフト=輸入物価上昇、国内生産シフト=コスト高必至、などに移って行くと考えられる。先週の雇用統計に市場があまり反応せず、話題性も乏しかったことが示す。

ただ、中国からの輸入減の前に、中国での欧米車販売不振などが先に表面化する可能性がある。GMの7-9月期中国販売は15%減、英最大メーカーのジャガー・ランドローバーは中国販売が50%近く落ち込んでいるとして22日から2週間、英工場操業停止を発表。中国は米国からのLPガス輸入を8月下旬以降、停止していると伝えられる。シェール・オイルやガス全般に広がれば、米原油相場を圧迫する。8月の米貿易統計で大豆輸出減が目立ったが、市況を圧迫している。中国経済減速懸念で非鉄市況が夏場に下落したことも印象に残る。短期的には、中国がデフレ要因になる可能性がある。

また、国債需給面では、昨報の中国の保有米債売却懸念に加え、米国自身の国債増発・・・今年の供給量(ネットベース)9000億ドル超、来年は1兆2000億ドル近辺に達する可能性がある・・・の圧迫がある。米国に順調に資金が流入するとの見方が続けば、そう問題になるとは思われないが、反転した場合には一気にリスクが高まる。

株式市場にとって、当面のリスクは織り込みつつあると考えられるが、米金利動向は先行きを大きく左右する要因になると考えられる。


出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(18/10/10号)《CS》

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