ノーベル化学賞、進化の力を利用した米国と英国の3氏が受賞

2018年10月5日 16:46

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記事提供元:スラド

headless曰く、 2018年のノーベル化学賞は、その半分を米国のフランシス・H・アーノルド氏が受賞し、あとの半分を米国のジョージ・P・スミス氏と英国のグレゴリー・P・ウインター氏が共同受賞した(概要プレスリリースPDF科学的背景PDF一般向け情報PDF)。

 総合的な授賞理由は進化の力の利用。アーノルド氏の授賞理由は酵素の指向性進化、スミス氏とウインター氏の授賞理由はペプチドと抗体のファージディスプレイとなっている。いずれの研究でも、変異させた遺伝子が作り出すタンパク質の有用性を見極めて選別し、進化を加速させる指向性進化法(directed evolution)と呼ばれる手法がかかわっている。

 アーノルド氏は1993年に初めて酵素を指向性進化させて以降、手法を改良していった。酵素は化学反応を促進するタンパク質であり、アーノルド氏が改良した手法は新たな促進物質を開発するのに使われている。アーノルド氏が開発した酵素の中には、薬品や再生可能燃料など、化学物質の製造過程で環境負荷をより低下させるために使われるものも含まれる。

 スミス氏は1985年、バクテリアに感染するウイルスであるバクテリオファージに組み込んだ遺伝子を表面に発現させる「ファージディスプレイ」と呼ばれる洗練された手法を開発する。新薬開発を目指していたウインター氏は、指向性進化法で特定の抗原を認識する抗体を選別するため、ファージディスプレイを用いた。この手法による最初の成果は2002年に承認されたリウマチ治療薬「アダリムマブ」であり、以降も毒素の中和や自己免疫疾患の緩和、転移がんの治療などを可能にするさまざまな抗体がファージディスプレイを用いて製造されているとのことだ。

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