長時間の宇宙旅行は胃腸に悪影響?米大学の研究

2018年10月5日 16:20

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 2023年にZOZOの前澤友作社長が月への民間旅行客第1号に選ばれたことは、周知であろう。その宇宙旅行に暗雲たちこめそうな研究が発表された。米ジョージタウン大メディカルセンター(GUMC)は1日、長時間宇宙に滞在すると、胃腸機能に深刻なダメージを与える可能性があることを報告した。

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■ガンマ線やX線よりも危険な宇宙線

 胃腸に悪影響を及ぼす可能性があるのが、宇宙空間内を飛び交う高エネルギーの宇宙線だ。1ミリメートルの約1兆分の1の大きさで、陽子やヘリウムの原子核、鉄の原子核や電子などから構成される。地表にいる限り宇宙線を浴びても安全だが、大気上空では地表の100倍もの放射線を常に浴びることになるので注意が必要だという。

 鉄やシリコンといった重イオンは、X線やガンマ線、あるいは質量をもつ陽子と比較して非常に重いため、人体に悪影響を及ぼす。ところが現在のテクノロジーでは、重イオンの放射から人体を守るのが非常に難しいという。

■マウスを使って実験 悪性ポリープが発生

 研究グループは胃腸管への重イオンの影響を調べるため、米航空宇宙局(NASA)の宇宙放射線研究所(NSRL)にて、マウスに長時間鉄イオン線を浴びせた。ガンマ線やX線に晒したマウス、放射線に晒さないマウスと対照実験を実施、鉄イオン線を浴びせたマウスの腸細胞は栄養素を吸収せず、悪性のポリープを形成することが明らかとなった。加えて鉄イオン線によりDNAを損傷、老化細胞を増加させるという。

 「鉄イオン線のこれらの悪影響により、腸の内層が代謝されるのを阻み、結果として胃腸機能を弱めてしまう」と、研究グループのひとり、ジョージタウン大カマル・ダッタ准教授は語る。

 同准教授はまた、「月への旅行のような短い航行ならば、鉄イオン線が胃腸に深刻なレベルで悪影響を及ぼさない。ところが火星などの長時間の航行ではダメージが続くことが気がかりだ」と説明する。

 ともかく、前澤社長は安心して月への旅行を謳歌できそうだ。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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