北極海の海氷面積、2018年の最小値は9月21日に 2002年以降では最も遅く

2018年10月4日 21:30

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水循環変動観測衛星「しずく」により撮像された9月21日の北極海氷(写真:国立極地研究所の報告資料より)

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  • 北極海の9月における最小海氷面積の推移(写真:国立極地研究所の報告資料より)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2日、北極海の海氷域が9月21日に2018年の最小面積となる446万平方キロメートルを記録したと発表した。年間で最小になる北極海の海氷面積は近年停滞傾向にあり、今年は昨年に比べて微減となったことが明らかになった。

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■1979年以降観測が続けられる北極海の海氷面積

 北極海の海氷域を計測しているのが、北極域研究プロジェクト(ArCS)だ。国立極地研究所、海洋研究開発機構及び北海道大の3機関が中心となる、文部科学省管轄の補助事業だ。2015年9月から2020年3月まで、ArCSは実施されるという。

 北極域の海氷面積の観測は1979年以降、人工衛星により本格的に行われた。日本では2002年にJAXAが開発した観測センサである高性能マイクロ波放射計(AMSR)を活用し、海氷域の観測を続けているという。JAXAでは、AMSRを2つ開発しており、2002年12月に打ち上げられた地球観測技術衛星「みどりII」にAMSRが、2002年5月に打ち上げられた地球観測衛星AquaにAMSR-Eが、それぞれ搭載されている。

 AMSRシリーズにより2002年以降海氷域の観測を続けた結果、今年は最も遅い時期に年間最小面積を記録したことになる。面積としては観測が開始された1979年以降で6番目の少なさだという。2000年代まで海氷面積は減少傾向にあり、2012年9月には観測史上最少面積を記録した。以降、それを下回る数値は観測されておらず、ここ数年の海氷の減少傾向は緩やかになっている。

■気になる北極海の温暖化傾向

 気になるのは、ベーリング海峡北部のチュクチ海の海面水温だ。過去10年間で最も海面水温が高く、昨年9月と比べて約1.6度高い状態にある。ここ数年の11月はチュクチ海南部では結氷しない状況が続き、今年もその状況が続くとみられている。これは、冬季の北極海上の温暖化が強まる可能性があることを示唆する。

 11月にはArCSの一環で、海洋地球研究船みらいが初めて初冬のチュクチ海の調査航海を実施する予定だ。海洋の温暖化が日本を含む中緯度の気候にどのような影響を与えているかを調査するため、データを取得するとしている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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