社会にも影響を及ぼすインフルエンザ 今からできる手軽な対策とは

2018年9月23日 23:00

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記事提供元:エコノミックニュース

一般的にインフルエンザは11~12月頃から流行が始まり、1~3月にピークを迎えると考えられている

一般的にインフルエンザは11~12月頃から流行が始まり、1~3月にピークを迎えると考えられている[写真拡大]

災害レベルとまで言われた暑さも日ごとにやわらぎ、秋らしい涼しさが増してきた。過ごしやすくなるのは有り難いことだが、これからの季節、注意したいのがインフルエンザだ。

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 一般的にインフルエンザは11~12月頃から流行が始まり、1~3月にピークを迎えると考えられているが、東京都感染症情報センターが発表している「定点医療機関当たりの患者報告数」の統計をみると、例年9月初旬から感染報告が増え始め、10月半ばくらいにピークを迎えていることがわかる。夏の疲れを秋に持ち越し、体力が落ちているとウイルスに感染しやすくなるのだろう。

 インフルエンザに感染すると、個人の健康被害のみならず、企業活動にも甚大な影響を与えるリスクがある。政府が公表している新型インフルエンザの被害想定によると 、死亡者数約17万人超、欠勤率最大40%など、尋常ではない被害規模が見込まれており、これが現実となった場合、企業活動が大きな打撃を被ってしまうのは言うまでもない。

 これを受けて、今年8月にMS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険が国内保険会社では初となる新型インフルエンザの大流行に対応したデリバティブ商品の販売を開始して話題となった。同商品は資本金10億円以上の株式会社を対象に提供されるもので、インフルエンザの大流行が発生した場合、契約企業が被る売上減少や対策費用の増加等を補てんし、事業の早期回復や収益の安定化等に貢献するものだ。

 それほどまでに懸念されているインフルエンザ被害だが、そもそも感染しないように予防することはできないのだろうか。予防法としてはワクチン接種が主な手段だが、ウイルスも年々変異しており、進化を続けているので、新型に即時対応するのは非常に困難な状況といえる。そうなると、とくに日常からできることとしては、日々の生活の中で、ウイルスを寄せつけにくい環境づくりと、強い身体をつくることが一番の対策だろう。

 環境対策としては、空気清浄機を用いる企業や家庭が多いが、残念ながらすべての機種がウイルス除去に効果があるとはいえないようだ。空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなるため、空気清浄機よりもむしろ加湿器などを使って、50~60%の適切な湿度を保つことが効果的といわれている。

 身体づくりの面で注目されているのは、「お茶」と「プロポリス」だ。緑茶に含まれるカテキンには、抗酸化作用、抗菌・抗ウイルス作用があり、インフルエンザウイルスに対する感染抑制効果も確認されている。アメリカの栄養学専門誌に掲載された研究では、1日3~5杯の緑茶を飲用することでインフルエンザの発症率が46%も減少するという驚きの結果も報告されている。

 また、株式会社山田養蜂場やアピ株式会社などの研究では、強い抗菌・抗酸化作用で知られるミツバチがつくり出すプロポリスにも抗インフルエンザ作用があることが明らかにされている。プロポリスはミツバチが木の芽や樹液などの植物源から集めた樹脂製混合物で、別名「蜂ヤニ」とも呼ばれている。これまでの研究では、プロポリスには免疫力を向上したり、風邪などの病気予防やアレルギーの抑制作用などがあるといわれていたが、同社らの研究によると、ブラジル産プロポリスエキスを継続的に服用することで、インフルエンザウイルスによる傷害から細胞を守ることが確認されたという。

 インフルエンザは毎年話題になるため、軽く考えてしまう人も多いようだが、決して軽視できる病ではない。例年500人前後、多い年では1000人を越える尊い命が失われている災害レベルのウイルス被害なのだ。流行し始めてから予防法に関心を持つのではなく、大切な命を守るために、今から予防に励んでほしい。(編集担当:藤原伊織)

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