特定信書便の業者、17年度末には510社に 売上180億円 総務省発表

2018年9月15日 09:46

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 総務省が発表した「特定信書便事業の現況」によると、2003年の法律施行以降、特定信書便事業へ参入した業者は510社となり、その中でも大型の信書を扱うサービスが大きく伸びていることが分かった。

■業者数は約12倍、売上高は約600倍

 13日、総務省が「特定信書便事業の現況」を発表した。これは、2003年4月に施行した「民間事業者による信書の送達に関する法律」(信書便法)以降、特定信書便事業に参入した業者数や事業展開の状況をまとめたもの。

 2017年度末時点で業者数は510社、引受通数は1,911万通、売上高は180億円となり、2003年時点の41社、15万通、3,000万円から、いずれも大きく伸長している。

■伸びる1号の大型書信サービス

 特定信書便事業は、1号の大型信書サービス(長さ・幅・厚さの合計が73センチ超か、重量が4キロ超の信書を扱う業務)、2号の急送サービス(差し出し時から3時間以内に配達する信書を扱う業務)、3号の高付加価値サービス(送信価格が800円を超える信書を扱う業務)の3つに分かれ、大手宅配業者の他、電報サービスやバイク便などの業者が参入している。2014年には一部の規制が緩和されている。

 業者数では1号が多く(1号:449社、2号:112社、3号:268社、兼務する業者があるため合計は510社と異なる)、引受通数も1号が多い(1号:1,295万通、2号:76万通、3号:539万通)状況が続いている。売上高では当初1号と3号が並んでいたものの、2010年度ごろから3号が多く(2010年度は1号:24.3億円、2号:1.4億円、3号:43.2億円)なっていた。しかし、ここ数年は3号の伸びが鈍ると同時に1号が伸びたことで、2017年度は1号が最も多く(1号:91.2億円、2号:2.4億円、3号:86.5億円)なっている。

■警備業や障害者福祉事業も

 参入業者の経営業態で最も多いのが株式会社で431社。次いで、共同会社(39社)、社会福祉法人(13社)、個人(13社)、NPO法人(8社)などとなっている。

 また、業種別で最も多いのは貨物運送業で384社。次いで、警備業(30社)、障害者福祉事業(17社)、ビルメンテナンス業(14社)、電気通信サービス業(6社)、旅客運送業(6社)など。

■北海道や沖縄も

 業者の本社所在地で最も多いのは東京の111社。次いで大阪(53社)、愛知(30社)、神奈川(29社)、福岡(26社)と都市部が多くなっている。ただし、北海道(18社)、佐賀(14社)、沖縄(10社)のように、地方でも10社以上の本社が置かれているところがある。業者の本社所在地が少ない県として、2社は岩手、山形、和歌山、鳥取の4県、1社は山梨、徳島の2県で、47都道府県の中で高知のみが業者の本社所在地ゼロとなっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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