木星の大赤斑から水分子を検出 太陽系惑星の形成解明に一歩前進 NASA

2018年9月13日 16:20

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木星に存在する大赤斑 大きさは地球の約2倍 (c)NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/ Gerald Eichstädt /Seán Doran

木星に存在する大赤斑 大きさは地球の約2倍 (c)NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/ Gerald Eichstädt /Seán Doran[写真拡大]

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 太陽系で最大の惑星である木星だが、科学者はその組成を理解するために研究してきたといっても過言ではない。太陽の組成にもっとも近く、木星の組成を理解することは太陽系惑星の形成の謎を解く鍵となる。木星の大気中に水がどのくらい含まれるのかは未知だったが、今回大赤斑の上に水が検出されたと論文で発表された。

【こちらも】木星の磁場に新たなモデル 説明できぬ複雑な磁場が判明

 研究を発表したのは、米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センターの天体物理学者Gordon Bjoraker博士らの研究グループ。Bjoraker博士らは地上の望遠鏡から巨大な嵐を研究、水素と酸素分子の観測に成功した。これは、木星が水を豊富に含むことを証明するものだという。

■木星研究の歴史は長い

 木星は、その直径が地球の約11倍、重さが約318倍にも及ぶ太陽系最大の惑星だ。木星のほとんどが水素とヘリウムから成る巨大なガス惑星であるため、岩などの固い地表をもたない。木星を構成する成分の多くは太陽と似るが、太陽よりもずっと軽量のため核融合を生じない。現在の約80倍の重さがなければ、太陽のように自ら光り輝くことができないという。

 木星の特徴のひとつに、大赤斑がある。赤道に並行して風が東西から交互に吹くため、すれ違う場所で渦巻き模様が発生する。この模様が大赤斑と呼ばれ、地球の約2倍もの大きさに及ぶ。

 木星研究の歴史は古く、イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイによって望遠鏡で最初に観測され、同時に4つの衛星を発見したという。1973年には惑星探査機パイオニアが木星に初めて近づき、ボイジャーなど多くの探査機が木星に接近、観測を行なった。

 ボイジャーにより磁場が発見されるなど木星の謎は徐々に解明されつつあるが、その組成については未だ謎が多い。研究グループはW・M・ケック天文台やNASA赤外線望遠鏡施設などにより大赤斑から漏れる赤外線の波長を観測、最深部に位置する雲の上から水の存在を示す化学的兆候を検出した。コンピュータシミュレーションを駆使し、水素分子と酸素が結合した水が豊富に存在することを予測した。

■コンピュータシミュレーションで水分子の存在を予測

 研究グループによると大赤斑は、アンモニア層と、アンモニアと硫黄とが混ざりあった層、氷と液体の水から成る層の3層から構成されるという。最下層の雲では水が氷に変化していることを、大赤斑から放出されるメタンガスの量をほかの惑星と比較し突き止めた。

 とはいえ、木星大気中の水の正確な量が判明されていない。2016年7月以降木星を周回する惑星探査機ジュノーにより、その量が計測可能になるという。

 「木星が豊富な水を含むことで、巨大な惑星がどのように形成されたかについて多くのヒントが与えられるだろう。ただし正確な水の量を測定する必要がある」と、Bjoraker博士は語る。

 研究の詳細は、8月17日にAstronomical Journal誌にて掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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