大日住薬、日本通信、ルネサスなど/本日の注目個別銘柄

2018年9月3日 16:12

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記事提供元:フィスコ


<6723> ルネサス 786 -54大幅続落。先週末の報道では、米国半導体メーカーのインテグレーテッド・デバイス・テクノロジーを60億ドルで買収する方針を固めたと伝わっている。IoT中核技術の取得が主な目的と見られている。60億ドル規模で買収とされているが、現在の時価総額50億ドル弱であり、25%のプレミアム付与となる。買収金額が割高と見られているほか、買収先企業は自動車向けの構成比も低く、シナジーは限定的との見方が先行。

<1435> TATERU 1206 -400ストップ安比例配分。建設資金の借り入れ希望者の預金通帳を改ざんし、銀行に融資の申請をしていたことが分かったと報じられている。会社側では改ざんの事実を認めており、他の案件でも同様の改ざんがあったか調査中としている。賃貸住宅への投資が冷え込む中、今回の不祥事を受けての顧客離れなども警戒される状況に。また、銀行融資の抑制が一段と進む可能性なども懸念視される形となりそうだ。

<9424> 日本通信 188 +9大幅反発。総務省では大手携帯電話会社が回線を提供する格安スマホの通信速度を遅くするなどの「差別」を禁じると報じられている。10月にも関係省令を改正するようだ。格安スマホの利便性向上につながり、今後の販売拡大が期待される状況となっているもよう。先月中旬には、中古回線スマホ自由化報道なども伝わっており、格安スマホ普及に向けた政策の方向性が強く意識される形にもなっているようだ。

<1929> 日特建 741 +83年初来高値。大株主であるエーエヌホールディングスがTOBを実施、連結子会社化を目指す方針と伝わっている。TOB価格は780円で、先週末の終値に対して18.5%のプレミアムとなる。買い付け予定数の上限は678万3810株で、エーエヌホールディングスの保有比率は57.91%となる見込み。TOB価格へのサヤ寄せ期待、並びに、子会社化による事業シナジーへの期待などが先行しているようだ。

<7004> 日立造 450 -28大幅続落。みずほ証券では投資判断を「買い」から「中立」に、目標株価も720円から510円に引き下げた。欧州子会社が前期に受注したトルコ・イスタンブール向けごみ焼却発電プラント案件を懸念材料としているようだ。トルコ初の受注案件であるほか、トルコの通貨安などから先行き不透明感が拭えず、株価の上値は重くなるとの見方に。一方、みずほ証券では三井E&Sの投資判断を格上げ、株価は堅調な推移となっている。

<3088> マツモトキヨシ 4330 +130大幅反発。みずほ証券では投資判断を「中立」から「買い」に格上げ、目標株価も5300円から5400円に引き上げており、買い材料視される展開になっているようだ。KPI導入効果が利益率改善につながっており、営業利益率は業界トップクラスの水準に達している。経営効率の改善が進んでいることを踏まえると、現行株価水準には割安感が強いと判断しているもよう。

<5803> フジクラ 623 -63大幅反落。一部の製品の品質管理に関わる不適切事案を先週末に公表した。対象となる製品は、送配電用電線・部品・部材、産業用電線など73品種、不適切事案としては検査項目の未実施、仕様書、品質管理工程図との齟齬、試験、検査書類に実際と異なる結果の記載などで、合計で70件、対象となる顧客数は66社のようだ。現状で業績への深刻な影響懸念までは想定されていないが、信用力の低下などを意識する動きが優勢に。

<3245> DEAR・L 613 +40変わらずを挟んで大幅続伸。先週末に9月期通期予想の上方修正を発表している。経常利益は従来予想の23.8億円から26.8億円に増額、都市型マンションや収益不動産の売却が想定上に進んでいることが背景。収益上方修正に伴い、期末配当金予想も24円から27円に引き上げ(前期実績17円)、8月10日に21円から24円に引き上げたばかりであり、インパクトが強まる形にもなっている。

<4506> 大日住薬 2143 -222急反落。米国子会社のサノビオンが米国において成人および小児の注意欠如・多動症(ADHD)を対象として新薬承認申請を行っているドパミン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤について、FDAからADHD治療剤として承認できないとの審査結果通知を受領したと発表している。今後、サノビオンはFDAと協議して次のステップを決定する予定としている。同薬は22年度にも年商100億円程度が期待されている製品である。《US》

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