北米自由貿易協定(NAFTA)(1) 警戒すべきは台数制限項目 日本メーカーの運命は?

2018年9月3日 16:59

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 北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉が進められている。アメリカの一方的要求をのまざるを得ないのが世界の情勢だ。メキシコは既に合意している。残るはカナダの出方だが、カナダとの妥結の様子次第で、アメリカと日本との2国間交渉に大きな影響が出るかもしれない。もちろん、日本の自動車メーカーの世界戦略に大きな景況を及ぼす。

【こちらも】NAFTA継続は困難な状況に

■サイコパス?トランプ大統領

 アメリカ・トランプ大統領の姿勢で特徴的なのは、「オバマのやったことは全て破棄する」との姿勢だ。これは、トランプ大統領の支持母体が選挙でどのような動きになるのか?などの問題とは別に、まるで「サイコパス」の症状とでも言えるかもしれないものだ。北朝鮮情勢についても、大統領側近たちのほとんどは情勢を正しく理解しているのに、トランプ大統領だけが北朝鮮の思惑を正確に理解できていないように見える。側近たちは、トランプ大統領に「正面からアドバイスをする」と「排除されてしまう」ので、正しいアドバイスができないでいると見るのが妥当だろう。

■NAFTA再交渉の注目点

 NAFTA再交渉では、先行しているメキシコとの合意内容で問題と見るべきは、まず部品調達を域内で行う基準について62.5%から75%に引き上げたことだ。日系メーカーは60%台であり、現在の基準は満たしていても新基準を満たしていないとみ見られる。また、部品の40~45%を、給与が時給16ドル(約1800円)以上の工場で造ることとなっており、これはメキシコの時給の2倍以上で、実質的にアメリカ本国で造ることを意味している。

■警戒すべきは「付帯事項」の台数制限項目

 それよりも警戒を要するのは、「付帯事項」だ。メキシコからのセダン、SUVの輸入台数が年間240万台を超えた場合、アメリカは関税を検討することが認められる。この場合は国家安全保障上の理由によるとされるが、これは理由として問題があると言われている。それだけでなく、こうした実質的輸入台数制限は、アメリカとの交渉では最も避けなければならないことと考えられている。

 一見すると、現在の輸入台数と比べるとかなり多い台数で、余裕があるとみられるのだが、今後、過去の経緯からアメリカはこの制限を厳しくする再交渉をしてくる懸念があるのだ。付帯事項合意では、さらに年間900億ドルを超える部品の輸入でも同じようにアメリカは関税を検討する権利を持つこととなっている。こうした交渉内容は極めてアメリカペースであり、今後に問題を残すこととなった。

 次は、自動車メーカーのサプライチェーンが対応できるのか?を見てみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: 北米自由貿易協定(NAFTA)(2) サプライチェーンの再構築と政治的孤立

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