ゲンゴロウの幼虫の長い突起はミジンコを捕食するためのもの 長崎大の研究

2018年8月19日 21:55

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カイミジンコ(左)とケシゲンゴロウ幼虫(右)。(画像:長崎大学発表資料より)

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 ゲンゴロウの一種・ケシゲンゴロウの幼虫は頭部中央に長い突起を持つ。この天狗の鼻のような突起がどのような機能を持つかは、ケシゲンゴロウが新種として発見されてから90年以上もの間謎に包まれていたが、実はこれはカイミジンコという甲殻類を捕食するためのものであったという事実を長崎大学とホシザキグリーン財団の研究グループが明らかにした。

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 研究グループによれば、室内実験によって、ケシゲンゴロウの幼虫が頭部の突起と大きな顎を用いてカイミジンコを効率よく捕獲し、また殻を破壊せずに内部を吸収・消化していることが明らかになったという。

 そもそも、ケシゲンゴロウの仲間は別として、ゲンゴロウ科その他の肉食性昆虫の幼虫は、左右に大きく開く顎で小動物などを捕食するものである。だがケシゲンゴロウや、その近縁種であるゲンゴロウの幼虫においては、頭部に長い突起があり、大あごが上下に動くことによって獲物を挟んで食べるものと考えられていた。だが、具体的に何を獲物にするのかは不明であった。

 さて、カイミジンコはミジンコの仲間であるのだが、二枚貝のような殻を持った生物である。水田などで見ることができる生き物で、通常は殻を開いて、足を動かして泳ぐが、貝と同じく、危険を感じると殻を閉じる性質がある。この殻は硬く、通常の小型の水棲昆虫には破壊することはできない。

 ところが、ケシゲンゴロウの幼虫は、カイミジンコの殻が開いているときを狙って大あごを差し込み、頭部の突起とあわせて挟む事によって固定、捕食する。殻の内部を消化液で溶かしてしまうので、殻はそのまま残る。

 このような捕食方法はこれまで知られていなかっただけでなく、ゲンゴロウ科の中では比較的メジャーな種であるケシゲンゴロウがどのように進化・多様化していったかを解明する手掛かりになるであろうという。

 なお研究の詳細は、英国の進化生物学の専門誌『Biological Journal of the Linnean Society』に公開されている。(藤沢文太)

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