高CO2濃度で収量が高まるイネの遺伝系統を特定、農研機構の研究

2018年8月14日 08:34

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多収品種「タカナリ」が持つ籾数を増やす遺伝子を持つ「NIL-APOI」は、それを持たない「コシヒカリ」に比べ、籾数が多くなる。(画像:農研機構発表資料より)

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 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、水稲の多収品種が持つ籾数の増える遺伝子をコシヒカリに交配で導入すると、高二酸化炭素条件下で収量が大幅に増加する事実を明らかにした。

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 大気中の二酸化炭素の濃度は、18世紀後半、すなわち産業革命期から今日まで約250年間かけて1.4倍に増大している。これがいわゆる地球温暖化の原因なわけであるが、それはさておき、水稲には大気中の二酸化炭素濃度が上がると光合成が活発になって収量や生育が早まるという性質があることも知られている。

 そこで農研機構では、将来的に高収量となることが期待される品種を作り出すための実験として、約50年後、二酸化炭素濃度が現在の1.5倍になった状況を人工的に作り出し、研究対象となる水稲の収量や生育状況を調べた。

 二酸化炭素増加に対する反応性だが、水稲の品種によっても違いがある。特に影響が大きいのは、「タカナリ」と呼ばれる品種を代表とする多収品種である。これらの種は、二酸化炭素の濃度が上昇すると、収量や生育が高まり、もともと多い籾数が大きく増大することが期待された。

 ただ、それらの予測は理論的なものであり、実証的なデータはなかった。そこで実験が行われたわけである。

 屋外で高二酸化炭素濃度を実現できる開放系大気CO2濃度増加(FACE)実験施設を用い、タカナリが持つ籾数を増やす遺伝子をコシヒカリに人工交配およびDNAマーカー選抜で導入した「NIL-APO1」という品種を栽培して、その収量や生育を調べたところ、高二酸化炭素濃度条件下では、16%の増収が見られたという。

 農研機構によれば、今後の研究としては、二酸化炭素濃度の増加だけでなく、温暖化によって収量が増える品種についても研究していきたいとのことである。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連キーワード地球温暖化遺伝子DNA農研機構

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