NTTデータ、ソフトバンクG、ライオンなど/本日の注目個別銘柄

2018年8月6日 15:09

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記事提供元:フィスコ


<9613> NTTデータ 1372 +96大幅反発。先週末に第1四半期決算を発表、IFRS初年度の決算となるが、営業利益は291億円で前年同期比10.8%増となり、市場予想は50億円程度上振れたとみられる。北米市場が苦戦したものの、国内が牽引して、欧州の収益も改善した。北米は事業統合に伴う費用の減少によって、第2四半期以降回復に転じるとみられ、業績の安定成長期待は一段と高まる状況になってきているようだ。

<6479> ミネベア 2071 -3買い先行もマイナス転換。先週末に第1四半期決算を発表、営業利益は143億円となり、115億円程度の市場予想を上回った。会社想定に対しても40億円上振れしたようだ。ボールベアリングの収益性改善などから通期計画は830億円から850億円に上方修正したものの、先行き不透明を背景とした保守的なガイダンスとの見方が強く、売りが優勢となった。

<6869> シスメックス 9350 -840大幅続落。先週末に発表した第1四半期決算では、営業利益は138億円で前年同期比11.3%増益となった。会社想定比では順調な進捗となったようだが、上半期計画比での進捗率は47%にとどまり、145億円程度であった市場予想も下回っているため、ネガティブに捉える動きが優勢のようだ。粗利益率の高い試薬の増加が収益増に貢献したが、機器全般の伸び悩みなどをマイナス視する流れにもなっている。

<9984> ソフトバンクG 9433 +201反発。UBS証券では投資判断を新規に「バイ」、目標株価を12900円としている。ビジョン・ファンドの輪郭が見え始めた時期以降、割引率が拡大しており、目標株価には約4割の上昇余地があるとみている。国内通信事業のFCFは年5000億円前後で持続可能としているほか、スプリントの業績は緩やかな拡大に止まる可能性も、Tモバイルとの合併認可ならシナジー効果による業績拡大余地は大きいとの見方。

<7203> トヨタ自 7133 -87買い先行もマイナス転換。先週末3日の取引時間中に第1四半期決算を発表、営業利益は6827億円で前年同期比18.9%増、通期では減益計画であり、市場予想も5%強上回ったとみられ、順調なスタートになった。北米・欧州・アジアでの販売増加、原価低減などが増益決算の要因に。ただ、米政権が検討中の関税引き上げの影響が不透明なため、決算をポジティブ視する動きは限定的で、本日も売りが優勢となった。

<7202> いすゞ自 1637 +57大幅反発。先週末にトヨタ<7203>との資本関係解消を発表した。トヨタが保有する株式5000万株(発行済み株式総数の5.89%)を自己資金で買い戻すという。国内最大手との資本提携解消をネガティブに捉える向きもある一方、一株当たりの価値が向上するほか、他社とのアライアンスに向けた動きとの思惑などもあるようだ。なお、第1四半期決算は先の観測報道をやや上回る水準も、大きなインパクトはない。

<6794> フォスター電 1173 -350大幅続落。先週末に第1四半期決算を発表、営業利益は前年同期比35.5%減の9.5億円、通期予想を55億円から30億円に下方修正した。主要顧客向けヘッドセットの需要が期初計画より減少しているもよう。また、リストラ費用や減損の計上で、最終損益を25億円の黒字から25億円の赤字に下方修正。野村證券では投資判断を「バイ」から「ニュートラル」に格下げ、目標株価も2350円から1670円に引き下げている。

<5331> ノリタケ 7010 +1000ストップ高。先週末に発表した第1四半期決算がポジティブサプライズと捉えられている。営業利益は19.1億円で前年同期比80.3%増益、通期予想は53億円で前期比4.0%の増益であり、想定外の大幅増益決算と評価されている。コンデンサー用電子ペーストなどセラミック・マテリアル事業、乾燥炉及び焼成炉などエンジニアリング事業が大幅増益となり、牽引役になった。

<7936> アシックス 1577 -193大幅続落。先週末に上半期の決算を発表、営業利益は84.9億円で前年同期比47.2%減、会社計画75億円は上回ったものの、市場予想の100億円程度は下回った。四半期ベースでは、4-6月期は営業赤字となっている。欧米市場の販売低迷が継続する格好のようだ。もともと市場コンセンサスは会社計画を上回っていたが、業績回復時期は後ずれとして、野村證券では今期営業利益予想を160億円に下方修正している。

<4912> ライオン 2180 +203大幅反発。先週末に上半期決算を発表、事業利益は126億円で前年同期比ほぼ横ばい、会社計画の110億円を上回る着地になった。「システマ」ブランドのリニューアル効果などでオーラルケアなどが回復している。また、海外でも東南アジアや中国などでコストダウンが進展した。第1四半期決算ではネガティブなインパクトが強まった経緯もあり、順調な収益回復を受けて見直しの動きが強まっているもようだ。《US》

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