今日の為替市場ポイント:株高期待でドル下げ渋りも

2018年8月1日 08:54

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記事提供元:フィスコ


*08:54JST 今日の為替市場ポイント:株高期待でドル下げ渋りも
7月31日のドル・円相場は、東京市場では110円75銭から111円46銭まで反発。欧米市場でドルは111円35銭から一時111円96銭まで上昇し、111円82銭で取引を終えた。

本日8月1日のドル・円は、主に111円台後半で推移か。米中貿易摩擦激化に対する警戒感はやや低下していることやアジア諸国の株高への期待が広がっており、目先的にリスク回避的なドル売り・円買いは抑制されるとみられる。

日本銀行は7月31日の金融政策決定会合で、強力な金融緩和継続のための枠組みを強化することを決定した。具体的には政策金利のフォワードガイダンス導入による物価安定目標へのコミットメントを強め、現行の政策の持続性を強化する。長短金利操作については、短期金利は現状維持だが、長期金利については、10年金利(長期債利回り)0%程度での推移を基本的に維持するものの、経済物価情勢に応じて上下にある程度変動しうることになった。

昨日の欧米市場では、フォワードガイダンス導入を意識した円売りが観測されたが、一部の市場関係者は「日銀が長期金利の上昇を容認した事実は軽視できない」と指摘している。2019年度の物価見通しを下方修正したことによって超低金利政策の一段の長期化は避けられないものの、日銀は金融緩和策の副作用を懸念し、今後は長期金利の過剰な低下を阻止することが予想される。《CS》

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