水星磁気圏探査機「みお」 2018年10月19日に打ち上げ決定

2018年7月30日 07:26

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2015年に報道公開された「みお」。(C)JAXA

2015年に報道公開された「みお」。(C)JAXA[写真拡大]

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と欧州宇宙機関(ESA)の共同プロジェクトによる水星探査計画BepiColombo(ベピコロンボ)が動き出す。探査機は約1年間にわたり「地球型惑星の起源と進化」について明らかにするなど、水星の総合的な観測を行う予定だ。

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 今回打ち上げられるのはJAXA担当の水星磁気圏探査機「みお」(MMO:Mercury Magnetospheric Orbiter)とESA担当の水星表面探査機(MPO:Mercury Planetary Orbiter)の二つの周回探査機。「みお」は日本の得意分野である磁場・磁気圏の観測を主目的とし、水星固有の磁場や地球と異なる特異な磁気圏の解明などを、MPOは水星の表面と内部の観測をそれぞれ担う。「みお」とMPOはアリアン5型ロケットで一緒に打ち上げられ水星到着後に分離するが、地上と同じく1年間の観測を2基で協力しながら行う。

 水星は太陽系の中で最も太陽に近い惑星である。そのため探査には、軌道投入に要する多大な燃料に加え強い太陽熱による灼熱環境に耐えうる技術が必要となり、周回探査は困難とされていた。これまでの水星探査は、長年にわたり、アメリカが45年前に打ち上げたマリナー10号が1974年から1975年にかけて水星近傍を3回通過したのみだった。この時、金星を利用したスイングバイを計画し、マリナー10号の水星接近を成功に導いたのがイタリアの数学者であり天文学者のジュゼッペ・コロンボ博士だ。スイングバイの計画に加え、水星の自転と公転の共鳴関係を発見したことでも知られる。彼の愛称「BepiColombo」が今回のミッションに冠せられたことはプロジェクトに関わる人々の彼への尊敬と感謝の表れではないだろうか。

 2000年代に入り、水星探査への関心が高まり、2011年からはNASAのメッセンジャーによる探査が行われた。マリナー10号によって水星に磁場と磁気圏活動が発見されてから44年。地球型惑星の中で地球同様固有の磁場を持つ惑星は地球と水星ただ2つだけだ。両惑星を比較することで宇宙に存在する様々な磁気圏の理解を深められるのではと期待されている。

 今回のミッションは水星の磁場、磁気圏、表面、内部を初めて多角的・総合的に観測する日欧初の大型共同プロジェクトとなる。太陽に近い領域での惑星形成の秘密にも迫る今プロジェクトだが、博士の名にかけても是非成功してもらいたいと思うのは私だけではないはずだ。

 それぞれの探査機を載せたロケットは日本時間の2018年10月19日10時45分、フランス領ギアナのクールー宇宙基地より打ち上げられる。(記事:秦・記事一覧を見る

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