京大など、野生ニホンザルの腸内細菌を解明

2018年7月24日 22:02

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ヤマモモの果実を食べる5月の屋久島のニホンザル。野生のニホンザルがどのような腸内細菌をもちいて、森の食べ物を消化しているのかを、本研究では明らかにした。(写真提供:早川卓志氏)

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 京都大学などの研究グループが、野生のニホンザルがどのような腸内細菌を持っているかを明らかにした。

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 研究グループは、京都大学霊長類研究所の早川卓志特定助教と半谷吾郎准教授、日本学術振興会の澤田晶子特別研究員(中部大学)、学習院大学の阿形清和教授らからなる。

 ヒトも含めて動物の消化管には無数の腸内細菌が生息しており、食べ物の消化を助けている。ヒトの場合、現在の研究では1,000種100兆個と言われている。

 研究は、具体的には、野生のニホンザルの糞便を採取し、DNAを分析するという形で行われた。問題は、飼育・実験環境(ラボ)とはまったく異なる森林におけるフィールドワークにおいて、どのように野生の動物の糞便を集めて、腸内細菌のDNAが維持された状態のままラボまで持ち帰るかということである。

 従来の研究では、腸内細菌の共生を分析するためには、糞便に含まれている菌を実験室のシャーレの上で培養する必要があった。だが現実には培養の困難な菌というものも多く、腸内の細菌の全体像を掴むのは困難なことであった。

 しかしここに登場するのが次世代シークエンサーというDNAの解析機器である。糞便中の最近の遺伝子DNAの塩基配列を網羅的に決定し、どんな菌種がどのような割合で含まれているのかを明らかにすることができる、というものである。

 腸内細菌は食物の消化に関わるものであり、食べ物の種類によっても変わってくる。炭水化物を中心とした食生活を送っている場合と肉を食べる生活を送っている人とでは同じヒトであっても腸内細菌は多少異なるのである。

 さて、研究であるが、屋久島の西部林道に生息する野生のニホンザル対象として、物理的に追跡しながら糞を拾い、すみやか保冷剤を用いて冷蔵、フィールドステーションで冷凍するという方法がとられた。

 同時に、京都大学霊長類研究所で飼育されているニホンザルからも、全く同じ方法で糞便を採取して比較。結果、野生のニホンザルのほうが飼育のものよりも多くの菌種がバランスよく生息していることが分かったという。また、ニホンザルの腸内細菌には、プレボテラ属という細菌が多く含まれていたことなども判明した。

 なお研究の詳細は、Primates誌にオンライン公開されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連キーワード京都大学遺伝子細菌DNA

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