欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、米商務省公聴会などを注視

2018年7月19日 17:25

印刷

記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、米商務省公聴会などを注視
19日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。19-20日開催の米商務省による自動車輸入に関する公聴会では日本メーカーへの影響が警戒される。ただ、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の強気な景気見通しや利上げに前向きな姿勢を受けて、ドル買いに振れやすい地合いは続きそうだ。


前日の海外市場は、中国商務省が米トランプ政権による鉄鋼・アルミ製品の輸入関税への報復措置に踏み切る構えをみせたことで、米中貿易戦争を警戒した円買いが強まった。また、予想に反して弱い内容となった米国の6月住宅着工件数が嫌気され、ドル・円は113円台から112円台後半に値を下げた。本日のアジア市場でも米中摩擦への意識が続き、日経平均株価が下落に転じ、やや円買いに振れやすい。

そうしたなか、米商務省が19日から20日まで開く自動車の輸入制限に関する公聴会が注目される。日本政府や自動車メーカー、米商工会議所はトランプ政権が検討する輸入車や部品などへの追加関税に反対の立場から、それぞれの見解を表明する見通し。自動車の輸入制限が実施された場合には日本メーカーへの打撃は大きく、株安を通じて円高に振れる可能性が懸念される。

ドル・円は前日の取引で半年ぶりに113円台を回復したが、それまでの上昇ピッチが速かったことから、米中通商問題を手がかりとした調整の売りが観測されている。ただ、ある市場筋は「ドルの調整は浅い」とし、113円台に切り返す可能性を指摘。パウエルFRB議長の利上げ継続姿勢も市場にドル買い安心感を与え、今晩発表の米経済指標が底堅い内容となれば、ドル・円の下げは限定的になろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・6月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:+0.2%、5月:+1.3%)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:22.0万件、前回:21.4万件)
・21:30 米・7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:21.5、6月:19.9)
・22:00 クオールズ米FRB副議長あいさつ
・22:00台 南ア中銀が政策金利発表(6.50%に据え置き予想)
・23:00 米・6月景気先行指数(前月比予想:+0.4%、5月:+0.2%)《FA》

関連記事