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北海道大学、ドジョウのクローン生殖の謎を解明
クローンの起源仮説と調査方法。(画像:北海道大学発表資料より)[写真拡大]
ドジョウは珍しい生き物ではないが、珍しい生態を持っている。日本全国に分布するドジョウの多くは普通に有性生殖を行うのだが、ごく稀に、交配によって生まれるにも関わらず、全く母親と同じDNAを受け継いで生まれてくる「クローンドジョウ」が存在するのである。北海道大学がこのクローンドジョウの生殖の謎を突き止めた。
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当該のドジョウが発見されたのは北海道の北部である。このクローンドジョウは自身も自身のクローンを生み出すのだが、これがどうやって卵を作って生むのか、またどのようにして誕生したのかは謎に包まれていた。
そこで研究グループは、クローンドジョウが卵を作るメカニズムに関し、卵が作られる過程における細胞分裂(減数分裂)における染色体の動きや数に着目して研究を行った。
まず、クローンドジョウは二つのグループ、AとBのドジョウの交配により誕生するものと推測されていた。両グループのドジョウはどちらも通常50本の染色体を持つ。
理論的な推測が正しければ、クローンドジョウは25本のA由来の染色体とB由来の25本の染色体を持つことになる。
研究グループは、Bグループの染色体だけに結合するプローブ(目印)を開発して、クローンドジョウにおいて25本の染色体が結合を生じるかどうかを調査した。
さて、実際にプローブは25本の染色体においてのみ結合した。従って、AグループとBグループの交配によってクローンドジョウが誕生することおには疑いない。
また、減数分裂のメカニズムについても着目され、分析が行われた。クローンドジョウは、有性生殖するドジョウに比べて2倍の二価染色体を持っており、減数分裂の開始前に染色体のコピーが作られるということも明らかになった。つまり、染色体同士の遺伝子交換、「乗り換え」が起こっても、すべての卵がそれによって母親とまったく同じ遺伝情報を持つというわけである。
なお、研究の詳細は、Chromosome Research(分子細胞遺伝学の専門誌)に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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