ユーロ週間見通し:もみ合いか、米中貿易戦争の影響残る

2018年7月14日 15:19

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記事提供元:フィスコ


*15:19JST ユーロ週間見通し:もみ合いか、米中貿易戦争の影響残る
■弱含み、ドイツ経済指標の悪化などが嫌気される

先週のユーロ・ドルは弱含み。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が欧州議会証言で、少なくとも2019年夏終わりまで金利が据え置かれるとの見通しを示したことや、ドイツの7月ZEW景気期待指数が大きく落ち込んだことがユーロ売りにつながった。また、米国の6月生産者物価の伸び拡大などで利上げペース加速観測が台頭したことも、ユーロ売り・ドル買い材料となった。取引レンジ:1.1613ドル-1.1791ドル。

■弱含みか、ECBの早期利上げ観測後退でドル選好地合い

今週のユーロ・ドルは弱含みか。ECB当局者間で利上げ時期をめぐり意見が分かれており
、早期利上げは困難との見方がさらに広がった場合、ユーロの上値は重くなりそうだ。米インフレの上昇を背景に連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ加速期待は高まっており、ドル選好地合いに変わりはないとみられる。

予想レンジ:1.1550ドル−1.1750ドル

■上昇、ドル高・円安進行の影響受ける

先週のユーロ・円は上昇。ドイツの5月輸出が予想以上の伸びを記録したことやオーストリア中銀ノボトニー総裁の「マイナス金利は永久的な金融政策ではない」との発言がユーロ買い材料になった。また、対ドルでの円安進行の影響もあったようだ。取引レンジ:129円57銭-131円53銭

■もみ合いか、米中貿易戦争の影響残る

今週のユーロ・円はもみあいか。欧州中央銀行(ECB)内で利上げ時期についての見解は分かれており、引き続き当局者の発言が材料視される見通し。早期利上げは困難との見方が改めて広がった場合、ユーロ買いは再び後退するとみられる。米ドル・円相場に大きな動きがない場合、ユーロ・円は主に130円台で取引される見込み。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・16日:5月貿易収支(4月:+167億ユーロ)
・20日:5月経常収支(4月:+262億ユーロ)

予想レンジ:128円00銭-131円00銭《FA》

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