三菱電機、欧州で空港気象ドップラーライダー受注 晴天でも風を感知

2018年7月14日 08:35

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「空港気象ドップラーライダー」外観(写真:三菱電機発表資料より)

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 三菱電機は12日、フランス気象局からニース国際空港向け晴天時風観測用「空港気象ドップラーライダー」を受注したと発表した。

【こちらも】三菱電機、高い技術力と幅広い事業領域の強化で売上高5兆円に挑む

 空港周辺の風速や風向きを知ることは、航空機の離着陸時における安全確保に欠かせない。雨天時の乱気流検出は「空港気象ドップラーレーダー」で対策可能だが、晴天時の対策にはライダーが必要という。大規模な空港を中心に、ドップラーレーダーとドップラーライダーを組み合わせ、雨天時でも晴天時でも乱気流を検知する仕組みが検討されていた。

 三菱電機は2015年、晴天時風観測用の「空港気象ドップラーライダー」の納入を開始し、羽田空港、成田空港、香港国際空港で計5台が稼働。加えて、北京大興国際空港、アンタルヤ国際空港への納入予定だが、今回欧州での受注にこぎ着けた。この受注を契機に欧州での受注拡大を目指し、グローバルで売上高25億円を目指す。

 空港気象ドップラーライダーは、大気中の塵や微粒子の動きを捉えることで、晴天時でも風速や風向きをリアルタイムに測定。20キロメートル以上の風計測を実現するとともに、ICAO(国際民間航空機関)推奨要件に基づいた観測距離を満たしている。

●空港気象ドップラーライダーの特長

 雨滴を測定対象とするマイクロ波の気象レーダーと異なり、ドップラーライダーは晴天時でも測定可能だ。

 ドップラーライダーはレーザ光を発射して、大気中の塵、微粒子からの反射光を受信し、その移動速度を風速として計測。レーザ光の往復時間から計測領域までの距離を計測するため、従来の風速計では不可能であった上空の風速分布を遠隔で計測可能だ。

 レーザ光を送受信するため騒音も出さず、計測が周囲の騒音により影響を受けないのも使い勝手が良い。さらに、使用にあたり電波法の許認可も必要ないという。

 大きさは、幅2.6×高さ2.2×奥行1.9メートルであり、重さは2トンだ。

●気象レーダー(三菱電機、ドップラーライダー)のテクノロジー

 1990年代後半より、1.5ミクロン(1/1,000ミリ)帯の人の目に対する安全性や高信頼な光通信部品に着目し、この波長帯を風計測ライダーに用いる優位性を見出したことであろう。当時の風計測ライダーでは、1ミクロン、2ミクロン、10ミクロンといった波長を用いていたという。

 ドップラーライダーを発明した研究者である平野氏は、2018年にIEEEフェローを受賞。IEEEは電気・電子工学、情報通信工学における40万人の会員を有する世界最大の学会だ。フェローは、その会員の内の0.1%が昇格できる狭き門だ。

 また、空港気象ドップラーライダーは、科学技術と経済の会が主催する「第6回 技術経営・イノベーション賞」で、選考委員特別賞を受賞している。(記事:小池豊・記事一覧を見る

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